「絶妙なボディタッチと距離感」「あまりに石破前首相と違いすぎる」と賞賛の声…高市早苗首相の《"各国首脳を射止めた"外交戦術》何がすごいのか

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高市首相の印象を決定づけているのは、まず姿勢である。

会場に入る際、耳と肩のラインが横から見て一直線に揃い、胸が自然に開いている。腕を前後にしっかり振る歩き方は、堂々としていながらも力みがない。背筋の伸びた姿勢は、観察する側に「落ち着き」「能力」「信頼」を感じさせる。

これらは心理学やリーダーシップ研究でも繰り返し示されてきた傾向だ。

マレーシアのクアラルンプールで開催されたASEAN首脳会議に際し、マレーシア国家記念碑を訪問した高市早苗首相(画像:首相官邸公式サイトより)
耳と肩の位置が揃うと凛とした姿勢になる(画像:首相官邸公式サイトより)

姿勢とは内面の秩序を映すサインである。高市首相の身体の安定感は、「揺るぎのない判断軸を持つ人」という印象を瞬時に生み出していた。

その安定感は、あらゆる動作の端々にも一貫して見られた。

動作に無駄がなく、相手と対話するときも、身体の軸をぶらさずに毅然とした姿勢を保ちながら自然な距離で向かう。その構えが、安心感だけでなく存在の厚みを生み出している。

行動の目的が明確で、無駄な動きが少ない人ほど、内面にぶれがない印象を与える――その視覚的効果を、彼女は自然に体現していた。

マレーシアのアンワル・イブラヒム首相に迎えられた高市首相(画像:首相官邸公式サイトより)

「相手の目線を離さない」アイコンタクト

各国の首脳との挨拶で、彼女は相手の視線が自分を捉える前にまっすぐ視線を送る。挨拶を終えるまで相手の目線を離さず、終えた瞬間には次の首脳とすぐにアイコンタクトを交わす。

ほんの数秒で相手が入れ替わる中で、1人ひとりと密度の高い視線を保つのは容易ではない。別れ際まで視線を交わすその丁寧さが、形式を超えた誠実さと主導的な姿勢を同時に印象づけている。

チリのガブリエル・ボリッチ大統領の目を正面から見据える高市首相(画像:高市早苗公式Xより)
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