《秋ドラマの3強》が意外と苦戦…「もしがく」「ちょっとだけエスパー」「ロイヤルファミリー」の超豪華キャストドラマは"失敗作"なのか?
また、耕造の妻・京子(黒木瞳)や長男で後継者候補の優太郎(小泉孝太郎)との強烈な敵対関係が「不要ではないか」「日曜劇場の悪いクセ」という声もあがるなど賛否が分かれているところなのでしょう。
こうして見ていくと、豪華キャストを集め、実績十分のスタッフが手がけている分、視聴者側のハードルが高くなっている様子がうかがえます。
3作ともに序盤の脚本・演出は一定のクオリティがあったものの「これくらいは当然」とみなされ、それどころか「もっと面白いと思っていた」などと厳しい目を向けられてしまいました。
そしてもう1つ指摘しておきたいのは、大物クリエイターの作品だからこそプロデュースのバランス感覚が難しいこと。
基本的に大物クリエイターほど技術や実績へのリスペクトから、脚本家なら「書きたいものを自由に書いてもらいたい」、演出家なら「撮りたいもの自由に撮ってもらいたい」となりやすく、時に大衆性が失われていく要因になることがあります。
その点、「もしがく」は三谷さんの思い入れが強い舞台の世界を描いた物語であり、野木さんは「いつかやりたい」と思っていたファンタジー作。その結果、序盤は多くの視聴者を引き寄せるというより、視聴者を選ぶようなニュアンスを感じさせられました。
一方、「ザ・ロイヤルファミリー」は早見和真さんの小説が原作の作品。その原作にプロデューサーをはじめスタッフたちがほれ込み、競馬関係者へのリスペクトが前提で作られているため、専門性が高くなり、やはり序盤は視聴者を選ぶようなニュアンスが感じられました。
さらに塚原監督の手がける映像は常に美しくもダイナミックで引きつけられる反面、馬や競馬関係者、競馬やギャンブルそのものを過剰に飾り立てているようなムードを感じた人もいるようです。
徐々に起きはじめた「小さな奇跡」
では順風満帆とは言えないスタートを切った「3強」は今後どうなっていくのか。中盤から右肩上がりで終盤を迎える可能性はありそうなのか。


















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