《秋ドラマの3強》が意外と苦戦…「もしがく」「ちょっとだけエスパー」「ロイヤルファミリー」の超豪華キャストドラマは"失敗作"なのか?

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当作は三谷さんの経験に基づいたオリジナル作であり、蓬莱は若かりし日の自身がモチーフのキャラクター。これらを踏まえると、三谷さんの思い入れがたっぷり詰まった物語であることは間違いないでしょう。

ただ、1980年代の渋谷、演劇、シェイクスピアなどの設定やモチーフは、視聴者層を限定しかねないものであり、序盤は「俳優たちに興味は持てても物語には持ちづらい」というニュアンスの声が散見されました。入り口としてはかなりニッチだったという感があります。

もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
三谷幸喜渾身の作品が菅田将暉主演でドラマ化(画像:フジテレビ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」公式サイトより)

次に「ちょっとだけエスパー」は、会社をクビになり、妻も財産も失ったサラリーマン・文太(大泉洋)がちょっとだけエスパーになって世界を救うというコンセプトのファンタジー作。

文太は「ノナマーレ」という会社に入社し、ある薬を飲むことでちょっとだけエスパーになり、社宅で見知らぬ女性・四季(宮﨑あおい)と夫婦として暮らしながら週替わりのミッションに励む様子が描かれています。

しかし、序盤はエスパーとしての能力だけでなく、週替わりのミッションも“ちょっとだけ”にとどまり、物語のテーマや任務クリアのカタルシスも控えめ。

また、豪華キャストをそろえた割に“大泉洋劇場”というべき独壇場が続いたほか、もともと賛否の分かれやすいファンタジー作であることも含め、称賛も酷評もないようなどっちつかずの状態が続いています。

ちょっとだけエスパー
「宮﨑あおいがかわいすぎる」と話題に(画像:テレビ朝日「ちょっとだけエスパー」公式サイトより)

「視聴者を選ぶ」ことになった背景

「ザ・ロイヤルファミリー」のコンセプトは、人間と競走馬の20年にわたる壮大なストーリー。税理士として挫折した栗須栄治(妻夫木聡)が馬主である山王耕造(佐藤浩市)と出会い、彼を支えながら調教師や騎手らと有馬記念を目指す様子が描かれています。

実質的なダブル主人公となる栗須と耕造の男気あふれるキャラクターに加えて、生産牧場や厩舎、馬主や騎手らの熱くストレートな人間関係はドラマ枠「日曜劇場」にフィットし、評判は上々。

しかし、競馬そのものやギャンブルが苦手な人が多いのか、話題性としては日曜劇場の中でも低い水準にとどまっているようです。

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