コンサル出身者が辞めて何年経っても大切にしている"1年目の教え" ロジックツリーの超基本
たとえば、周りの人が読んでいるスポーツ新聞で、「ヤクルト、首位に躍り出る」という見出しが目に入ったとしましょう。そこから「ヤクルトが強くなった理由は何か?」という問いを立て、ロジックツリーを使って仮説をつくる訓練をするのです。
中吊りの広告の見出しも同じように活用できます。見出しには、詳細は書かれていません。ですから、「年100万円を貯める」などの見出しが目に入れば、すぐに「どうやったら、最速で年100万円貯められるのか?」という課題をつくることができます。
これらを、通勤電車に乗っている12分で考えるのです。毎日電車に乗り込むと、最初に目にしたものを題材に課題を考え、手には小さなメモ帳をもって、それに書き留めていく。
秋山さんは、2年間、毎日これを続けました。最初は、満足のいくロジックツリーをつくることができませんでした。しかし、半年後には徐々にできるようになり、それ以降は、問いを立てた瞬間に、ロジックツリーの方向性が見えてくるようになったそうです。
よいロジックツリーをつくるためには?
課題を漏れなく、ダブりなく分解したり、意味のあるロジックツリーをつくったりするには、適切な指導者が必要です。 勉強会などで、若手社会人同士でロジックツリーのトレーニングをする場面を見ることがありますが、成果が上がっているようには見えません。
この手のトレーニングの問題点は、ロジックをつくっている張本人は、自分で間違いに気づくことができないことです。結局、ツリーの問題点や論理のミスは、すでにそれができるようになっている人が指摘してあげないと、何がどう間違っているのかがわかりません。
「ロジックツリーをつくる練習をする際の問題点」を、ロジックツリーを使って論理的に整理してみると、「自分一人でのトレーニングには限界がある」というところがもっともクリティカル(重大)な論点になってしまうのです。これは、大きな矛盾です。
その点、コンサルティング会社では毎日の仕事の中でロジックが間違っていればすぐさま直されます。毎日、ロジックツリーを描いては直される日々。ですから、新人コンサルタントも、これらを身につけることができました。
電車の中でトレーニングをしていた秋山さんも、決して自分だけで行っていたわけではなく、先輩コンサルタントに見てもらい、フィードバックを受けていました。
ただ、それも昔の話です。時代は変わっています。なにもコンサルティング会社に入らなくても、こうしたトレーニングを提供するスクールは数多く存在するでしょう。
ロジカルシンキングやロジックツリーは、誰もが身につけられるスキルです。適切な指導と、繰り返しのトレーニングを通じて、あきらめず、地道に身につけましょう。
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