【大型バイクの絶対王者はどう進化したのか】2018年のデビュー以来初となるフルモデルチェンジを決断、カワサキ新型「Z900RS」の伝統と革新

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新型Z900RSのエンジン
新型Z900RSのエンジン(筆者撮影)

動力性能では、前述のとおり、900cc・4気筒エンジンを新型に変更。最高出力などのスペックは未公表だが、最新の排ガス規制ユーロ5+に対応していることで、より環境性能をアップしている。

また、同じく先に述べたとおり、電子制御システムがさらに進化。スロットルの開閉を電子的に制御する「電子制御スロットル」や、加速度センサーや角速度センサーなどを組み合わせた「6軸IMU」の搭載などで、より機能が充実した。

最新テクノロジーによる進化

Z900RSのメーターおよびハンドルまわり
Z900RSのメーターおよびハンドルまわり(筆者撮影)

具体的な進化を説明していく。まず、クラッチレバーの操作なしでシフトアップとシフトダウンができる「KQS(クイックシフター)」を採用。動作はエンジン回転数1500rpm以上からとなり、発進時や渋滞路でも使用可能だ。幅広いシーンで、頻繁なクラッチ操作を不要とすることで、ライダーの疲労軽減に貢献する。

また、急激なシフトダウン時などに便利な「オートブリッピング」機能も搭載。減速時にギアを下げる際、自動でエンジン回転数を上げて最適な回転数に合わせることで、過度なエンジンブレーキや後輪のロックなどを防ぐ機能だ。シフトダウン時には、「ブン、ブン」とエンジンが吹けあがる音を楽しめる効果もあり、サーキットなどでスポーツライディングを楽しむ際などに、気分をぐっと高揚させてくれる。

上級グレードのZ900RS SEは、オーリンズ製リヤサスペンションやブレンボ製ブレーキシステムを採用
上級グレードのZ900RS SEは、オーリンズ製リアサスペンションやブレンボ製ブレーキシステムを採用(筆者撮影)

ほかにも、このモデルでは、「KCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)」という機能も追加された。これは、6軸IMUのデータを活用し、コーナリング中のパワーやブレーキ効力を最適な状態にコントロールする機能だ。加減速時の車体挙動をスムーズにすることで、ライダーが意図したラインをトレースしやすくする効果を生む。

さらに新型では、スマートフォン連携機能も追加。専用アプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」を利用することで、車両情報の確認や各種設定の変更などをスマートフォンから操作可能。スマートフォンとブルートゥース接続したインカムから、音声コマンドでナビの操作や車両の情報取得なども行える。とくに、このモデルの場合、音声によるナビ案内も使えるので、ツーリング時には非常に便利だといえる。

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