『マツコの知らない世界』でも注目、ラーメン日本一を争う山形・新潟の「ラーメン文化」が奥深すぎる! ラーメン消費額で常に上位も"納得の理由"

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この二大巨頭の都内進出は、新潟ラーメンの存在感を一気に全国レベルへと押し上げた出来事である。さらに『我武者羅』など新潟出身の職人たちの活躍もあり、地元のラーメン文化を全国に広げていった。

新潟五大ラーメンに含まれないエリアでも新たな動きがある。上越の『食堂ミサ』系味噌ラーメンを継ぐ『雪ぐに』は、濃厚ながらもまろやかな味わいで人気を集めており、新潟ラーメン文化の懐の深さとさらなる可能性を感じさせる。

ラーメン店
『雪ぐに』のテーマカラーは味噌ラーメンを彷彿とさせる黄色(筆者撮影)

山形・新潟のラーメン文化に共通していること

こうして見ていくと、山形と新潟のラーメン文化は、どちらも“文化をどう磨くか”という視点で動いていることがわかる。

山形は行政主導で「まちづくり」としてラーメンを育て、生活の味を観光資源に変えていく。新潟は民間のチャレンジ精神が先導し、それを行政が後押しする形で広がってきた。アプローチは異なるが、いずれも根のある文化を基盤としている。

「ラーメン消費額日本一」の座を競い合う山形市と新潟市。その数字は、単なる食費統計ではない。ラーメンを通じて人が集まり、経済が回り、地域の誇りが醸成される──そんな文化の成熟度を示す指標でもある。

山形と新潟の両雄は、互いに刺激を与えながら、これからも日本のラーメン文化を熱く牽引していくに違いない。

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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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