パナソニックが仕掛ける「テレビがアプリになる」時代 3チューナー搭載、無線LAN対応でテレビを持たない層と推し活層を狙うmiyotto
miyottoはこれらの課題をクリアした。3チューナー搭載で3番組同時録画が可能。無線LAN対応で配線不要。最新のFire OSやGoogle TVにも対応する。落合氏は「nasneの抱える課題をクリアして提供できている」と語った。
先行製品が機能縮小する中で、パナソニックは市場機会を見出した形だ。
miyottoが狙うのは、従来のレコーダーが取りこぼしてきた層だ。
パナソニックの担当者は発表会で「間取りやテレビ線の都合で設置が難しい」層を挙げた。テレビ受像機を置きたくても置けない、あるいはそもそも置く気がない。しかしスマホやタブレット、Fire TV Stickを挿したモニターでは、地上波が観られない。
従来のディーガはテレビとHDMI接続する前提のため、テレビを持たない層には売りようがなかった。
miyottoはこの層に地上波視聴の選択肢を提供する。本体をアンテナにつなぎ、手持ちのデバイスにアプリを入れるだけだ。
Fire TV StickやAndroid TVデバイス、プロジェクター、スマホ、タブレット。どれでもテレビが観られる。
パナソニックが狙うのは、この層だけではない。もう一つのターゲットがある。
もう一つのターゲット「録画をがっつり使う層」
配信が8割に迫る時代に、録画需要はあるのか。パナソニックが2025年10月に実施した調査では、テレビ番組を視聴する10〜40代のうち38.9%が「よく録画する」と答えた。若い世代でも、4割近くが録画を使っている。
背景にあるのが「推し活」だ。好きなタレントや俳優の出演番組を追いかける人たちにとって、録画は欠かせない。
パナソニックが2024年12月に推し活をする人に調査したところ、79.5%が「出演番組を視聴する」と回答した。26.6%が「レコーダーは推し活充実に役立つアイテム」と答えている。
配信で観られる番組は限られる。TVerは1週間で消える。レギュラー番組なら毎週の録画予約が必要だ。
miyottoの「ドラマ・アニメ1クール自動録画」機能は、こうした層を狙っている。
月産1000台という販売目標について、パナソニックの担当者は「従来のレコーダーとは違う製品なので、反響をみながら目標値を流動的に変えていきたい」と語る。HDMI端子を持たない新しいカテゴリーの製品として、市場の反応を探る段階だ。
レコーダー市場は縮小しているが、テレビコンテンツの需要は消えていない。「テレビの前に置く箱」から「家中どこでも使えるハブ」へ。パナソニックのレコーダー再定義が始まった。
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