「法的には家畜扱い」「実はきれい好き?」マンションで≪マイクロブタ≫を飼い始めた夫婦に訪れた3年後の重大な心境の変化

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しおりさんがおもちくんを迎えて5年。体重6キロだった彼は毎日元気にもりもり食べ続け、しっかりとした雄豚に成長した。

おもちくん
(写真提供:しおりさん)

100キロから300キロ程度まで成長する家畜豚に対し、40キロから100キロ程度の個体を「ミニブタ」、そして40キロ以下のものを「マイクロブタ」と呼ぶ。

「マイクロ」という言葉は誤解を招きやすいが、ほとんどの個体が大型犬以上の大きさに育つ。例えば、ゴールデンレトリバーは30キロ程度。40キロまで成長すれば、超大型犬のバーニーズ・マウンテン・ドッグと同程度の大きさだ。

マイクロブタをできるだけ小さくとどめるためにエサの量を少なくすることは、虐待に近い行為だ。特に成長期である4カ月齢から2歳ごろまでに必要なエネルギーを摂取していなかった場合、発育不良となり内臓疾患や呼吸器障害をもたらし、短命となる危険性もある。

「マイクロ」という名称は、家畜豚と比較したときにのみ効果的な表現となる。成長したブタは、決してマイクロサイズではないことは、飼育前に知っておかなければならない。

家畜豚もマイクロブタも、体の大きさを除けば大きな違いはない。気を付けるべき病気も同じだ。特にイノシシやブタが感染する豚熱(豚コレラ)は要注意。強い伝染力と高い致死率で、感染が広がると殺処分などの防疫措置の対象となる。

基本的には定期的なワクチン接種で予防できるが、感染リスクを下げるために屋外での散歩を控える飼い主もいる。

ブタは頭がよいためトイレの場所もすぐに覚え、飼い主の指示にもよく従う。草食に近い雑食で、体臭もほとんどない。よく汚れた部屋が「ブタ小屋」と揶揄されるが、実際のブタは非常にきれい好きな生き物だ。

犬猫アレルギーの救世主・マイクロブタ

大阪府でフリーランスとして働くしおりさんは(仮名)、幼いころから動物に囲まれて育った。犬、猫、鳥、時にはうさぎまで、そばにもふもふした生き物がいない日はなかったという。実家を出て友人とルームシェアを始めたときに初めて、動物がいない生活を経験した。

飼える環境になったら、猫と暮らしたい。そう思うようになっていた。

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