「法的には家畜扱い」「実はきれい好き?」マンションで≪マイクロブタ≫を飼い始めた夫婦に訪れた3年後の重大な心境の変化

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「結婚して夫婦で暮らし始めたので、これでようやく猫が飼えると思ったんですけど、夫に犬猫アレルギーがあることがわかったんです。それで、もうペットを飼うのは諦めていました」

動物を飼いたいのに飼えない。そんな人たちの心を満たしてくれるのが、SNSだ。YouTubeやインスタグラムなどで次々に流れる動物動画が、もふもふを飼えない寂しさを紛らわせてくれた。

「そこで初めて、マイクロブタの動画を見たんです。夫婦で、『ブタってめっちゃかわいいやん』ってなって。調べたら、ブタはアレルギーが出にくいらしいと知りました」

マイクロブタ
生後6カ月頃のおもちくん(写真提供:しおりさん)

ブタの肌は人間の肌とよく似ており、実際に皮膚炎の薬理試験などにも活用されている。人に近いからか犬や猫と比べて、ブタにアレルギー反応を起こす人も少ない。また体毛は剛毛で、脱毛しても空気中に舞うことはなく、吸い込む量も少なく済む。

ブタならうちでも飼えるかもしれない。

5年前、まだ大阪にはマイクロブタカフェがなかった頃、東京にあるブタカフェのインスタライブである子豚を見つけたしおりさんと夫は、同時に「この子しかいない!」と確信した。それが現在の「おもちくん」だ。しかし、実際におもち君をお迎えするまでには、いくつもの試練を乗り越えなければならなかった。

マイクロブタ
しおりさんに抱っこされ、安心してうたた寝するおもちくん(写真提供:しおりさん)

「前例がないから」…なかなか難しい物件探し

まず、ブタを飼育できる賃貸物件がなかなか見つからなかった。ペット飼育可能と掲げている部屋に問い合わせても、「ブタは前例がないから」と断られる日々が続いた。

「数十件電話し続けて、ようやく見つかったのが2件だけでした。だから、実質2択しか選択肢がなかったんです」

ブタの飼育が可能な賃貸物件をようやく見つけて引っ越しを済ませた。ブタは寂しがりやな生き物だ。特に子豚のうちは、留守番時間は長くて8時間と言われていたため、同じくフリーランスとして働く夫と協力して仕事のシフトを工夫した。

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