東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

休日にまで、ついつい頭に浮かんでしまう【嫌な上司の存在】を"たった1分"で振り払う簡単な方法

8分で読める
  • 西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者
2/5 PAGES
3/5 PAGES

もちろん、会社での関係性は変わっていません。でもMさんは、少なくともプライベートの時間では、「扁桃体にバリアを張る」ことに成功したのです。

名前を変えたとき、脳内で起こること

上司の名前を変えると、Mさんの脳内では次のようなことが起こります。

①感情の自動起動が止まる

たとえば、携帯電話に相手の名前を「田中部長」と登録していたら、「田中部長」という文字を見ただけで、相手の役職や顔、怒鳴られた声、理不尽な要求、相手への恐怖感など、すべてが一瞬でよみがえります。

しかし、「B」という記号を見ても、脳は「これは誰だっけ?」と一瞬考える必要があります。このワンクッションが、扁桃体の過剰反応を防ぐのです(これを専門用語で、「介入」といいます)。

また、私たちの脳には「連合記憶」という仕組みがあります。

脳は名前を「インデックス(見出し)」として使い、その人に関するすべての情報を整理しています。

「田中部長」という名前には、顔、声、匂い、過去の出来事、感情まで、すべてが紐づいており、名前を見た瞬間、脳はこれらすべてを自動的に再現しようとします。

条件反射で心拍数が上がり、手に汗をかき、胃が痛くなる。これを意志の力で止めることはできません。しかし、「B」という記号には、何の情報も紐づいていません。「B」を見ても、脳が「過去の田中部長に関する記憶」を再現しにくくなるのです。

さらに、マイナスなものに脳が過剰に注目し続ける「注目バイアス」も、「B」という無意味な記号には働きません。つまり、名前を変えることで、

・記憶の自動連鎖が断ち切られる
・感情的な反応が起きにくくなる
・その人への注目が自然に薄れていく

といったことが起こり、結果として、扁桃体の過剰反応もストレスホルモンの分泌もなくなり、ストレスを感じにくくなるのです。

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象