「完璧な俺の、何がダメだったんだ!?」。竹内涼真演じる《モラハラ男》が大バズり!ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が愛される真因

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そういう人は誰もの身の回りに少なからずいるだろう。だから、キャラクターへの感情移入や作品への自己投影がしやすく、共感を呼びやすい。そして、周囲と打ち解けて、次第に応援される主人公は、もともとの頭の固い人間性とのギャップから、どこか愛らしく感じてしまう。

本作は、竹内涼真が演じることで、勝男の憎めない愛らしさが、かわいらしさにも感じられ、変わろうともがく姿に感情移入する視聴者が多いのだろう。

第1話では見事なまでのモラハラぶりを披露していたが、ドラマが終わってみればすっかり彼を応援していたに違いない。バズっていたSNSの声の多くがポジティブだった。

竹内涼真が「モラハラ気質な勝男」を好演

勝男のモラハラ気質は、彼の生い立ちが影響している。厳格で厳しい昔ながらの男尊女卑の父に幼少期から厳しく育てられた一方、小学校から大学までずっとモテてチヤホヤされてきた勝男は、時代とも世間ともちょっとズレた自意識と価値観を持つ“勘違い男”になってしまった。

しかし、もとは悪い人間ではない。根はいい人だから、職場の同僚たちも彼がフラれて落ち込んでいると気に掛ける。そこから、料理を通して、心を通わせるやりとりが生まれる。勝男にはそういう人間性が備わっている。憎めない存在なのだ。

竹内涼真
どこか憎めない勝男から目が離せない(画像:TBS『じゃあ、あんたが作ってみろよ』公式サイトより引用)

コメディタッチのドラマだが、竹内涼真のキャラクター性と芝居が活きている。根は素直な勝男がとてもかわいらしく見える。第3話までで、すっかり感情移入して、竹内涼真が勝男にしか見えなくなっている。

勝男の成長と、鮎美との再生を描く物語は、ベタでもどぎつくもなく、誰もの生活のすぐ身近にある一部を切り取っているような空気があり、令和社会となじんでいる。気構えずに気楽に楽しむのにちょうどいいドラマでもある。

これから勝男を応援する視聴者はどんどん増えていくだろう。今期の台風の目になりそうだ。

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武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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