豊田通商、「スクラップ投資」の高すぎる代償

相次ぐ減損で今期の純利益は半減に

世界的なスクラップ価格の下落という“寒風”が、豊田通商を直撃した(写真:ロイター / アフロ)

トヨタ系の総合商社である豊田通商が、相次ぐ減損で急失速している。

10月23日に、資源価格の下落によって豪州やカナダのガス事業などで180億円の減損を計上する見通しと発表。非資源事業でも、インドネシアの大手自動車部品メーカーであるアストラオートパーツの株式評価損など270億円の損失が発生し、総額で450億円(すべて税引き前ベース)の一過性損失を計上する見込みだ。

これらの影響により、2015年度の純利益予想を期初時点の700億円から半減となる350億円に下方修正した。

中でも深刻なのは、上期(4~9月期)に110億円(税引き前ベース)と個別案件で最大の損失を計上したドイツのショルツ社だ。豊田通商は昨年6月、金属スクラップの取扱量世界2位である同社に出資比率で39.9%の投資を行い、持ち分法投資会社とした(投資額は非開示)。

金属スクラップとは、電炉で鉄鋼などを生産する際の原料となるもので、建物の廃材や廃車から生じる。もともとトヨタ車を中心に世界中で自動車の販売や部品供給を手掛けてきた豊田通商は、日本や中国を中心にELV(使用済み自動車)のリサイクル事業を営んできた。

スクラップは2年足らずで半値に

金属資源市況が下落の真っ只中にあってもショルツ株の取得に動いたのは、豊田通商なりの目算があったからだ。手薄だった欧州市場を中心にショルツ社が抱える26カ国400超の拠点を取り込めるほか、リサイクル先進国である欧州の技術取得などでシナジーを出せると判断したためとみられる。

だが、金属資源の最大需要国である中国の景気減速により、価格下落は市場予想を上回るペースで進行。鉄鉱石に連動する鉄スクラップの価格は、直近のピークである2014年1月の1万トン当たり約4000ドルから、今年9月末には1990ドルと、半値水準まで下落した(USAコンポジット価格)。

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