1年間で数人と仮交際も「結婚ムリ」。30代女性が抱える"裏事情"――無意識に介入する親という"呪縛"を解くために必要なこととは?

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母親は食事の準備や洗濯、部屋の掃除など、みのるの世話をかいがいしくやいた。その生活スタイルがみのるの日常となり、母の価値観が、自然とみのるに植え付けられていった。

そんな母親が2年前に亡くなった。天涯孤独となったみのるは、急に寂しさを覚え、結婚を現実のものとして捉えるようになり、婚活を始めた。しかし、相手選びの基準が無意識のうちに母親の価値観を投影していた。

彼が求める結婚相手像は、母親から繰り返し教えられたものだった。

「結婚するなら女性が働いていても問題ないが、家のことをしっかりできる人がいい」「食生活は健康を保つ基本。料理が上手な人が望ましい」「高価な買い物や高級志向の趣味がない、質素で堅実な人がいい」……。

母親の価値観が反映された婚活は、うまくいくはずもない。仮交際がスタートしても、2度、3度会うと、女性からお断りがくることが多かった。

「昭和的な男尊女卑の考え方が見える」「母親の話ばかりする」「結婚相手というよりも、母親の代わりを探しているような気がする」など、みのるの考えている理想の結婚生活は、現代の婚活市場では女性から受け入れられにくいものばかりだった。

支配的な父への反発が恋愛を阻む

みさと(31歳、仮名)は、2つ上の兄と共に育った。父親は、女性である母親とみさとを常に自分の支配下に置こうとし、生活の細部まで干渉してきた。

母親が家計や日常を取り仕切ることが多かったが、父親は家庭内で絶対的な権力を持ち、母親の行動を管理していた。また、みさとの行動や交友関係、進路選択にまでも口を出してきた。

みさとにとって、父親は安心して自分を出せる相手ではなかったし、成長するにつれて、父親に反発する気持ちがどんどん膨らんでいった。

年ごろになって恋愛をするようになると、「父とは正反対の男性」を選ぶことが、自立心の象徴であり、父に支配されない自分を確認する手段になっていった。

好きになるのは、物腰優しい男性。しかし、付き合っていくうちに、男性が強い言葉を発したりすると、そこに父親の面影を感じ、体が緊張してしまい心が引いてしまう自分がいた。

入会面談の時に、みさとは言った。

「自分の考えを押し付けるのではなく、パートナーを対等な目で見てくれる方を探したいです」

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