1年間で数人と仮交際も「結婚ムリ」。30代女性が抱える"裏事情"――無意識に介入する親という"呪縛"を解くために必要なこととは?

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あけみの父親は義務教育を終え、食品関係の仕事の腕利き職人として働いてきた。一方、母親は幼少期に父親を亡くし、母親(あけみの祖母)と弟と3人暮らし。あけみの母親は学業優秀だったが、家庭が貧困だったことに加え、「女の子に大学は必要ない」という母親(祖母)の言葉で進学を断念し、就職の道を選んだ。

やがて職場であけみの父親と出会い、結婚をした。

母親は、自身が断念した“学歴”を一人っ子のあけみに託し、たくさんの習い事をさせたり塾通いをさせたりした。あけみは、そうした母親の期待に応えて、名の通った女子大学に進学した。

しかし、大学生になってからも、母親はあけみの人生に口を出し続けた。とりわけ、自身の夫に学歴がなかったことを引け目に感じていた母親は、娘に近づく男性の学歴に強いこだわりを見せ、常に目を光らせていた。

「大学2年のときに初めて彼氏ができたんですが、彼の大学が母にとっては気に入らないところで、交際を反対されました。親に反対されている男性と付き合うのも後ろめたくて、だんだんと疎遠になり、結局は別れてしまいました」

そんなことを入会面談のときに言っていたので、筆者は、「婚活は、お母さんの意見に左右されることなく、ご自身の価値観でお相手選びをしてくださいね」と、アドバイスをした。

しかし、活動がスタートしてみると、母親の影響は依然として強かった。

あけみへの申し込みに対して、筆者が「この方、お会いしてみたら?」と言っても、学歴と年収をチェックし、「母が納得しないと思う」と条件をゆるめることができずにいた。

この1年のうちに数人と仮交際に入ったのだが、数回会うとあけみから交際終了を出すことが多かった。デートを逐一母に報告し、相談していくうちに、母親から相手の男性へのケチがついていたようだった。

結局、今も母を背後に抱えた婚活が続いている……。

亡き母の支配から抜け出せない

みのる(47歳、仮名)は初婚で大卒、メーカー勤務、年収800万円と、婚活市場で見れば条件に恵まれた男性である。しかし、結婚相談所でのお見合いや交際は思うように進まなかった。

みのるの父親は、彼が大学を卒業し就職した年に他界した。その後は母親と二人暮らしを続け、一度も一人暮らしの経験はない。大学も実家から通っていたそうだ。

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