『踊る大捜査線』『海猿』が牽引していたのに…到来した「ドラマ映画、冬の時代」。《ドラマ映画・歴代興収TOP10》が示す"残酷な事実"とは?

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2024年に前後編で公開された『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』は、それぞれ18.9億円、17億円。いまの時勢においてはヒット作になるが、シリーズのブランドとしては物足りなさもある。期待値はもっと高かったことだろう。

ただ、織田裕二演じる青島俊作が登場することが伝えられている新作『踊る大捜査線 N.E.W.』(2026年公開予定)は、シリーズ黄金期のファンが注目している。いまの時代に100億円超えは難しいかもしれないが、50億円超えは十分期待できるだろう。

社会的ブームを巻き起こすポテンシャルが潜んでいる本作の興行は、かつて絶大な人気を誇ったブランドの現在の影響力を計るひとつの基準になるかもしれない。

新たなドラマ映画のアプローチで成功したTBS

ここ最近のドラマ映画のヒットシリーズの筆頭になっているのは、TBS日曜劇場からの『TOKYO MER』シリーズだ。1作目の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2023年)は45.3億円、2作目の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』(2025年)は50億円を超えている。

また、TBS系連続ドラマ『アンナチュラル』と『MIU404』のキャラクターが登場し、世界観やドラマ設定を共有するシェアード・ユニバースのオリジナル映画となる『ラストマイル』(2024年)が、59.6億円の大ヒットになったことは記憶に新しい。従来のドラマ映画やスピンオフとは異なる新たなアプローチで、ドラマとリンクする新作映画を生み出し、ヒットにつなげた意義は大きい。

かつてフジテレビが牽引したドラマ映画の制作、宣伝手法が時代と噛み合わなくなってきたなか、新時代のシーンのトップを走り、新たな手法やフォーマットを開拓していくのはTBSなのかもしれない。『ラストマイル』のような挑戦からの成功事例がどんどん生まれてくることが期待される。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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