『踊る大捜査線』『海猿』が牽引していたのに…到来した「ドラマ映画、冬の時代」。《ドラマ映画・歴代興収TOP10》が示す"残酷な事実"とは?

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テレビ局で見ると、TOP10のうち4位の『ROOKIES-卒業-』(85.5億円)と7位の『花より男子ファイナル』(77.5億円)を除く8作がフジテレビ系ドラマからの映画作品になる。

近年は、東京キー局だけでなく、ローカル局のドラマからも映画化が続いている。TOP10からは、いかにフジテレビがドラマからの映画化というメディアビジネスにおいて、先駆者としてその道筋を作り上げてきたかがわかる。

近年は「10億〜20億円台」で大ヒットとされる

TOP10内の作品は、ほとんどが2000年代から2010年前後に公開されている。当時は、作ればヒットする、ドラマ映画バブルとも呼べる時代だった。

しかし、時代は移り変わり、現在はドラマ映画だからヒットする、かつてのような市場ではなくなっている。邦画実写全体のヒット規模が縮小するなか、10億〜20億円台で大ヒットと呼ばれ、10億円にとどかない作品が当たり前のように出てきている。50億円前後まで到達するスーパーヒットも稀に生まれるが、それは世の中的な話題作に限られる。

今年を見ると、『劇場版ドクターX』が30億円超え、劇場版『トリリオンゲーム』が20億円超えと健闘し、『劇映画 孤独のグルメ』は何とか10億円を上回るといった状況だ。

近年では、『ミステリと言う勿れ』が48億円、『グランメゾン・パリ』は40億円超えの大ヒットとなり、『Dr.コトー診療所』は24.4億円、『帰ってきた あぶない刑事』は16.4億円、『映画 イチケイのカラス』は10.8億円。これでもヒットしたほうだ。

『劇場版ラジエーションハウス』や『劇場版 ACMA:GAME 最後の鍵』映画『おいハンサム!!』『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』などは10億円に届かず、数億円にとどまる厳しい結果になる作品も少なくない。

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