村上信五さん結婚で考える「40代男性の結婚」のリアル…43歳以上男性の婚難度は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

コンコルド効果に要注意

結婚支援の現場からは、中高年男性が若い女性との成婚をあきらめない際の決め台詞として、「ここまで頑張ってきたんだから、若い女性を諦めたくない」という言葉があると聞いています。多少の女性遍歴がある、仕事に自信をもっている、相談所登録年数が長め、といった方に見られるようですが、統計的実態から考えると、「ここまで先延ばしてしまったんだから、若い女性を諦めるべきだろう」となります。

自らが若いほうが圧倒的に結婚しやすく、しかも若い女性と結婚しやすいという男性婚活の実態がある以上、結婚しやすい20代の時期に希望を実現できなかったことを重く受け止める必要性があります。

この「ここまで頑張ってきたんだから、若い女性を諦めたくない」という心理の背景には、サンクコスト効果、コンコルド効果などと呼ばれる心理が働いています。

サンクコスト効果とは、投資してきた費用が大きい(と本人が思っている)ほど、コストを取り返そうとして負け戦から撤退できなくなる、泥沼にはまる心理をいいます。ギャンブルにおいて、なんとか投資額を取り返そうとして、損失が大きい人ほどギャンブルをやめられなくなる危険な心理として使用されることが多い言葉です。

当たり前のことですが、結婚はギャンブルではありません。お相手に失礼にならないためにも、一般人が著名人の婚活を模倣しようとするような「ギャンブル婚活」になっていないか、十分に留意していただきたいと思います。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・経済団体等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『まちがいだらけの少子化対策』(金融財政事情研究会)『未婚化する日本』(白秋社・監修)『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事