「まだこんなことする人いるんだ…」「学生だろうと許されない」 くら寿司"醤油ペロペロ"事件…また起きてしまった"残念な理由"

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ただ、「時間とコストをかけた対策をしても、結局また不適切行為が発生してしまった」という重い事実からは逃れられません。すぐに新たな対策を施すのは難しいだけに、警察への通報はもちろん、損害賠償請求などの責任を追及する姿勢を明確に示しておきたいところでしょう。

そもそも飲食チェーンは「企業やブランドのイメージを守るためにひっそりと穏便に解決をはかる」という対応が目立ちますが、時に厳罰を求める姿勢も見せたいところ。それが企業やブランドを守るとともに、飲食業界全般の安心感につながるだけに、今後の対応も都度伝えていく姿勢が求められます。

しかしそれでも不適切行為における企業側の予防策には限界があり、そろそろ社会的な取り組みが必要でしょう。では、不適切行為の実現可能な予防策としてどんなものが考えられるのか。

くら寿司での不適切行為と言えば、今年3月にも都内の店舗で「10代の少年が皿の投入口に避妊具を置いた画像をSNSに投稿して書類送検される」という事態が発生したばかりでした。

やはり社会経験が少なく、物事の判断基準などに不安のある若年層のリスクは高いだけに、社会全体がそのリスクをしっかり伝えていきたいところ。

前述したように、若年層は仲間との狭いグループで行動することが多く、好きなものを選んで情報入手する傾向が強いだけに、彼らが利用するSNSやリーチする情報に、不適切行為のリスクや顛末をアップするなどの対策が望まれます。

この先、スマホを保有する子どもが増えることはあっても減ることは考えにくいため、これまで以上のITのリテラシー教育が求められているのは間違いありません。

「多額の損害賠償を求められた」「デジタルタトゥーで進学・就職や恋愛・結婚などがうまくいかない」「ネットの誹謗中傷に悩まされ、名前や住所が特定されて人生が変わってしまった」などの具体的なリスクを扱った啓発動画を作り、目にふれられるようにしたいところです。

不適切行為の予防に不可欠な「続報」

近年、各業界団体や各企業がITリテラシー研修などを行い、不適切行為の予防に努めていますが、社会全体で見ればまだまだ不十分。特にSNSの使用に関しては、自治体、学校、家庭などでの定期的かつ段階的な教育が欠かせないでしょう。

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