
地元の農家に頼み、飼い主自ら「牧草」を栽培
先住の南天ちゃんと向日葵ちゃんは相性が悪く、最後まで別の部屋で飼育を続けた。南天ちゃんはプレーリー界隈でも有名なお転婆娘。まる子さんでさえ、本当はオスなんじゃないかと疑うほどに、歳を重ねてもパワフルだった。
しかしプレーリードッグにとって、7歳は鬼門。あれほど健康だった南天ちゃんもまた、7歳を超えたとたん、がんになってしまう。
「プレーリードッグって、牧草とペレットを主食とするんですが、市販のものは多少添加物が入っているんです。南天には、新鮮な牧草を作ってあげたくて」
まる子さんは、小動物用の安全な牧草を育てようと考えた。地元の農家に頼み、畑の一角を貸してもらい、まずは野菜作りから始める。しかし牧草を育て始めたのは、1年ほど経ってからだった。
「牧草は私たちにとっては貴重な植物ですが、農家さんにとってはただの雑草です。育てるとなれば種も舞うだろうし、周囲に雑草を取る手間をかけてしまうので」
まずは専業農家への尊重と信頼関係づくりから。最初は「すぐにやめるだろう」とあきれ顔で見ていた農業の「師匠」も、まる子さんの熱意を認め、最終的に牧草を育てることを許してくれた。


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