「批判してた人、どこいった?」 前評判は最悪だった「大阪・関西万博」が、結局"大成功で終わった"ワケ…「東京五輪」とは何が違ったのか

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実際、彼らの不在もあり、パビリオンの設営が遅れたり、建設費の未払いが生じたりといったトラブルが発生した。混雑や交通の問題や、猛暑・雨天時の対応の不備も指摘されていた。

会場でメタンガスが検知されたり、ユスリカ(ハエの仲間)が大量発生したりという不測の事態も発生した。

チケットに関しても、予約の煩雑さが批判を浴びたり、チケットを購入したのに来場予約ができない「死に券」の問題、サイトへの不正アクセスによる第三者への譲渡問題なども起きたりした。

大阪万博
会場の中心をぐるりと囲む「大屋根リング」は建設費に344億円を要し、「税金の無駄遣い」と批判された。しかし開催中はその迫力を称賛する声も(筆者撮影)

そして、公式キャラクター「ミャクミャク」は、発表当時「気持ち悪い」と叩かれた。

とはいえ、開幕から時間が経つにつれて、来訪者の肯定的な声が目立つようになり、批判的な論調は徐々に後退していった。

費用対効果、経済波及効果について結論づけるのは時期尚早ではあるが、関西地域への来訪者増と消費活動も含めた需要増大、今後も含めた「ミャクミャク」のキャラクター活用、物販の収益、出展した企業や店舗のブランドイメージの向上や宣伝効果など、多様な影響、効果を考えると、現時点でも「成功」と言っていいと思うし、開催した意義も大きいと思う。

「批判的な世論」が集客に貢献した?

万博への評価が高まるにつれて、メディア報道のあり方を批判する声が高まっている。たしかに、開幕前の報道は批判的な論調が非常に目立っていたのは事実だ。ただ、悪評がメディアによって作られたのかといえば、疑問は残る。

23年1月に朝日新聞が行った世論調査では、大阪・関西万博の開催に関して「賛成(45%)」と「反対(46%)」が拮抗していた。関東では、「賛成」は36%と目立って少なかったが、近畿地方では「賛成」は60%となっており、西高東低となっていた。

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