若き曲亭馬琴を激励した「山東京伝」の心に響く言葉 大河【べらぼう】『南総里見八犬伝』を書きあげた異才の戯作者、波瀾万丈の人生

✎ 1〜 ✎ 39 ✎ 40 ✎ 41 ✎ 42
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

文化11(1814)年、48歳のときから『南総里見八犬伝』の刊行をスタート。途中で失明しながらも、実に28年もかけて完成させている。

鼻っ柱の強さも京伝に気に入られた?

名を高めたのちには、無名作者から自分自身まで論評した『近世物之本江戸作者部類』を刊行し、そのなかで馬琴は「京伝 馬琴の外に潤筆を受る作者はなかりしに」と書いている。「戯作者の社会的地位を向上させた功績者は、自分と京伝だけだ」という自負を語っているのだ。

恩人である京伝に対抗意識もしばしば燃やすなど、鼻っ柱が強いところが馬琴にはあった。そんな生意気なところも、京伝は嫌いではなかったのではないだろうか。

【参考文献】
山東京山著「山東京伝一代記」『続燕石十種 第2巻』(中央公論社)
高田衛著『滝沢馬琴 百年以後の知音を俟つ』(ミネルヴァ書房)
鈴木俊幸著『蔦屋重三郎』(平凡社新書)
曲亭馬琴著、徳田武校注『近世物之本江戸作者部類』(岩波文庫)

真山 知幸 著述家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』( ディスカヴァー・トゥエンティワン ) 、『ひょんな偉人ランキング ―たまげた日本史』(さくら舎)。「東洋経済オンラインアワード」で、2021年にニューウェーブ賞、2024年にロングランヒット賞受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事