深夜のネカフェで過ごしたあの頃…黎明期に現れた"明るく清潔"な《快活CLUB》の衝撃と"失われたポテト"を追い続けた男の「神ポテト」再会記

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細切りポテトは全体に衣をつけて揚げているようで、表面はサクサクし、中身はほくほくする。全体としての食感はほくほく系。皮も残っているので、ジャガイモの風味もよくある。しかも揚げたてだ! この食感と風味こそが筆者のまさに理想とするポテトだったのである(実はハインツのクリスピープレーン味だという。筆者が理想としたポテトはこの商品だったのだ)。味は薄めなのでそのままでは少し物足りないが、ケチャップとマヨネーズが両方付いているので、調整して楽しむことができる。

また、細切りポテト(バター醤油味)もあり、これはまさに筆者の好みの味付けだ。一口食べるとバター醤油の風味が口の中に広がり、続いてバターの香りが残る。

ケチャップとマヨネーズもついてくるが、付けるとバター醤油の味をかき消してしまうのでちょっとだけ付けて味のアクセントを楽しむのもいいが、そのまま食べるほうが断然おいしい。

“フライドポテト難民”になってしまった筆者が、長い旅の末にようやく再会できた「理想のポテト」だった。

快活CLUB ポテト
筆者の快活CLUBのポテトの記録(筆者作成)

そこまで調べ上げたポテトの調査結果と共に、ついに探していたポテトが見つかったとインターネットで記事にしたところ大きな反響があった。

SNSで話題になりそれがきっかけで関係者の目に留まってテレビ番組『マツコの知らない世界』にも”ほぼすべてのチェーン店のポテトを食べた人”として出演した。番組内でこの快活CLUBの「細切りポテト」を「神ポテト」と呼んだことはSNSでも話題になり、この呼び方は公式にも採用いただくことになった。

これは以前の快活CLUBの店内メニューだ。

快活CLUB メニュー
これは以前の快活CLUBの店内メニューだ(筆者撮影)

バズは偶然の産物だが、無からは生じない

もちろん、筆者が発信するはるか以前から「実は快活CLUBのポテトは旨い」という認知は常連客を中心にすでに広がっていた。そこに火種が加わったことで共感が爆発したのだ。

では、なぜ快活CLUBはフライドポテトがおいしいという認知を広げることができたのか。後編では、業界ナンバーワンに上り詰めた背景を“フード戦略”の観点から探った。

【後編はこちら】ネカフェ《快活CLUB》「かつては“怪しげな店”だと思われていたが…」ネカフェ後発組から業界王者に!→人気メニュー「神ポテト」の裏側に潜む知られざる“フード戦略”
岡本 智博 エンジニア、ライター

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おかもと ともひろ / Tomohiro Okamoto

1984年岡山県生まれ。現在も岡山県に在住。フライドポテトの食べ歩きが趣味で、コンビニやチェーン店、居酒屋のフライドポテトを食べ比べしている。

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