深夜のネカフェで過ごしたあの頃…黎明期に現れた"明るく清潔"な《快活CLUB》の衝撃と"失われたポテト"を追い続けた男の「神ポテト」再会記
今となっては考えにくいことだが、あなたが手に持っている“それ”が登場するまで私たちはインターネットをするためにわざわざカフェに行った。ネットカフェである。
00年代の初め、筆者のアパートにはインターネットがなかった。
インターネットを開通させるためには、アパートの壁に穴を開け配線を通す必要があった。今のようにインターネットの配線前提の建物ではなかったのだ。
不動産管理会社に「インターネットを引きたいので壁に穴を開けてもいいか」と尋ねるとまるで犯罪者でも見るかのように訝しまれたものである。ようやく手に入れたインターネットだった。
当時はまだまだそんな状況で必ずしもすべての家にインターネットは来ていなかったし、もちろんスマホなんてない時代だった。
筆者はアパートにインターネットが開通するまでネットカフェに通い、開通後もしばらく明け方まで時間を潰す生活を送っていた。当時のネットカフェはほんのりとタバコのにおいがただよい薄暗く、深夜のゲームセンターみたいなちょっとアンダーグラウンドな空気があった。
だがそれが当たり前で疑問にも思わなかった。
白い花のレリーフの衝撃
そんなある日、都内の幹線道路沿いに新しい店ができた。名前は「リラックスコンビニ 快活CLUB」。
最初はそれがネットカフェだと思わなかった。店名が謎だったからだけではない。それまでのネットカフェのイメージとはかけ離れていたからだ。
店内に入るとバリのリゾートを思わせる内装。タバコ臭さはなく明るく清潔感もありトイレに入ると壁に白い花のレリーフが飾ってあった。
それまで一般的だったネットカフェはちょっとアンダーグラウンド、間違ってもトイレに花のレリーフなんてありえなかった。今でも鮮明に覚えているほどの衝撃だった。


















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