日本企業の大問題「新規事業は生まれるけど、全然大きくならない」の処方箋

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考え込むビジネスパーソン
「誰でもイノベーションを生み出せる」そんな世界に到達したいま、「次の大きな課題」とも呼ぶべき壁に直面するようになってきています(写真:Graphs/PIXTA)
「サラリーマンに新規事業なんてできるわけがない」かつてよく囁かれた意見は、いまではすっかり影をひそめ、多くの企業から「新規事業」が続々と生まれている
ただ、新規事業は生まれるものの「大きなビジネスにならない」「人は育つが、育った人ほど辞めてしまう」など「次なる課題」に直面している企業は少なくない。
これまでに230以上の日本を代表する企業の新規事業を支援し、累計2万3000を超えるプロジェクトの創出に関わってきた「新規事業のプロ」である麻生要一氏が、この度、6年ぶりの新著新規事業の経営論を上梓した。
「1→100に必要な全仕組み」をはじめ、新規事業のすべてを書いた決定版である同書は、発売前に増刷が決まるなど、早くも話題を呼んでいる。
その麻生氏が、「新規事業の壁」について解説する。

「顧客のところに300回行く」は広く普及したが…

おかげさまで5万部を超えるベストセラーになった前作『新規事業の実践論』の出版から5年以上の月日が流れました。

『新規事業の経営論: 100億円超の事業をつくる18のシステム』
『新規事業の経営論: 100億円超の事業をつくる18のシステム』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

2025年現在、前作を出版したときには想像すらできなかった未来が訪れています。

前作を出版した19年12月。その直後に起きた、新型コロナウイルスパンデミックのショックは、全世界を強制的に、そして急激に変えました。

圧倒的な外部要因によって変化を強いられたあとに生き残った現在の企業経営は、かつての時代よりもしなやかに、そして新規事業とイノベーションが身近な存在になってきつつあることをひしひしと感じています。

「涙を流すほどの熱狂」によってこそ新規事業は立ち上げられる。そしてその熱狂による新規事業開発は、限られたごく一部の起業家にのみ許されたものではなく、企業の中で「雇われて働く人たち」にだってできる、誰にでも再現可能なものである。すべてのサラリーマンは社内起業家として覚醒できる

その手順とプロセスを解説した前作は出版以来、いまに至るまで多くの新規事業の実践家のみなさんに読み継がれています。

おかげさまで「顧客のところに300回行く」というキャッチコピーは、新規事業の世界に広く普及しました。

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