沖縄経済の実力--本土復帰40周年、視線はアジアへ

 また、さらなる基幹事業として整備を進めるのが、物流ハブ。現在、全日空が那覇空港を物流ハブとして活用中だが、那覇空港の滑走路増設と同時に港湾など海運施設の整備も進める計画だ。また、前出の特別自由貿易地域も「国際物流拠点産業集積地域」に変更し、税優遇に加え、これまで本土より割高だった分譲・賃貸料も引き下げ、企業誘致を加速させる方針。本土やアジアから人を呼び込み、さらにモノとカネが回り始める。その中で地元の産業や人材をうまく育成し、沖縄産業の成長エンジンを作り上げる──。そんなビジョンが見えてくる。

今年度の沖縄振興予算は、前年度比636億円増の2937億円。この半分以上が、県など地元が自由に使い道を決めることができる一括交付金だ。「これまではどんなによい事業でも長くて3年が限度。県が権限を持つことで、5年以上の事業継続も可能となる」と平良部長は意気込む一方で、「沖縄で成功しないと、全国の都道府県が迷惑する。責任は重い」と覚悟を見せる。

ただ、県主導とはいえ、総合的な政策立案に基づく事業でないと、せっかくの一括交付金による事業が一過性に終わる可能性もある。また、事業の主体が本土企業・人材となるケースも、これまで少なくなかった。この場合、県内企業が下請け的扱いしか受けず、ノウハウが地元に残らないのではという懸念も根強い。

一部では新たな経済特区をという意見もあるが、本土企業主導で行い、失敗すれば巨額の税金がムダになる。これは、今後返還されるであろう基地跡地の活用においてもいえるだろう。沖縄経済全体での戦略的で総合的な振興策が求められる。

「40年目は次の50年目に向けた誓いと覚悟の年」。返還から半世紀という節目に、より成長した姿を見せられるか。沖縄経済の実力が試されるのは、これからだ。 

 (宇都宮徹、福田恵介 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2012年4月28日・5月5日合併特大号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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