沖縄経済の実力--本土復帰40周年、視線はアジアへ

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 4回にわたって策定されてきた「振興計画」は、計画されるたびに「本土との格差是正」、(第1次、1972~81年)、「自立的発展の基礎条件の整備」(第2次、82~91年)、「特色ある地域づくり」(第3次、92~2001年)と基本方針に一つずつ新たな項目が取り込まれてきた。

政府の沖縄関係予算の規模を、図が示している。振興計画は、道路や港湾、農業基盤といった社会資本やインフラ、県民の生活環境を改善してはきたものの、1人当たりの県民所得は全国平均の約7割にとどまっている。県民の生活面は「本土並み」のレベルにいつ到達できるのか。その答えはまだ見えていないのが現状だ。 

 

 復帰直後から、経済開発に弾みをつけようと「復帰記念事業」が相次いで実施されてきた。沖縄特別国民体育大会(「若草国体」、73年)や75年の沖縄国際海洋博覧会(海洋博)がその代表例だ。

特に、半年にわたって開催された海洋博には大きな期待が地元からもかけられた。沖縄には昔から、海のかなた「ニライ・カナイ」の世界に豊かな実りと幸せをもたらしてくれる神がいるという信仰があり、海洋博は経済成長への“起爆剤”になると考えられた。同時に、沖縄自動車道をはじめとする道路や空港・港湾、治水、通信施設整備などの各種事業が短期間で行われ、ホテルなど観光産業の基盤が整備された。 

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