シニア転職で女性が圧倒的に有利なワケ。専門家「スキル、年齢が同じなら採用されるのは100%女性」
「男性中心の社会で荒波にもまれながら、たくましく生きてきた女性は優秀だし、強い。どんな仕事でもとりあえず挑戦してみようというチャレンジ精神がある人が多いと感じます」(市原さん)
転職にあたり、多くの女性が重視するのが仕事の内容。転職先で自分に何ができるのか、どんな役割で貢献できるのかに力点を置く人が目立つのだという。
「ベンチャーや中小企業は入社後の具体的なビジョンを描ける人材を求める傾向にある。そのため目標達成に向けて主体的に行動できそうな人が採用されやすいのです」
化学系ベンチャーへの転職を成功させた女性(当時50)は好例だ。
化学メーカーで長年研究開発職に従事していたが、自分のスキルを生かせる場所で新たな挑戦を始めようと転職を決意。20~30社ほどにエントリーし、2社の内定を取り付けた。
2社のうち1社は割と知名度のある中堅のメーカーで、給与面などの待遇も良かった。しかし女性はあえてベンチャーを選んだ。「より自分のスキルを生かせて、会社にも貢献できそうだから」と話していたという。
男性は高い理想との乖離に強い抵抗感を示す
一方で男性が固執しがちなのが、転職先でのポジションや肩書などのステータスや給与面の待遇など。
再就職では条件が悪くなることのほうが多いが、高い理想との乖離に強い抵抗感を示す。会社の規模や知名度といった「格」にもこだわる傾向があるという。
「今の立場が部長だから次も部長じゃないと困る、役員待遇じゃないなら再就職はしなくていい、こんな小さな会社じゃ働けない――。階層にこだわるあまり、失敗する例を何度も見てきました」と市原さんは話す。