「奨学金900万円」の返済抱え"専業主婦になりたい女性"の悲しい結末

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彩花さんの奨学金に驚いた大輝さん。彩花さんに大学の学費、入学金、初年度の授業料などを聞いてみると、合計約700万円だということでした。ところが、彩花さんが利用した奨学金は1000万円以上。学費の1.5倍近くの金額を受給していたというのです。大輝さんはこの差額に疑問を感じ、「学費だけでなく生活費まで借りたのだろう」と考えたようです。

奨学金を受給するのにはさまざまな事情があります。貧困や親の老後の資金の確保、そして、家庭の方針として「大学は自分で学費を稼いで通うもの」と考えているなど。大輝さん自身は、大学院まで学費をすべて親に支払ってもらった経験から、「子どもの学費は親が負担するのが当然」という考えを持っていました。

大輝さんは国立、彩花さんは私立のため、そもそも学費が大きく違うという面はありますが、18歳というまだ若い時点で学費に加え生活費までを自身で借金し、その後十数年にわたって毎月返済していくことをよしとする家庭環境に、大輝さんは「価値観が合わないのではないか」と不安を感じたようです。

「結婚後は主婦希望」のため奨学金返済は…

さらに、彩花さんが「結婚後、仕事を続けるかどうかはわからない」と言っていたことも気にかかったそうです。まだ奨学金(=借金)を完済していない状況で仕事を辞めるとなると、彼女の奨学金は大輝さんが代わりに返済しなければならない可能性が出てきます。それはかなりの重荷です。資格を取ることを前提に進学したにもかかわらず、結婚を機に退職してしまうのであれば、その資格は生かされないことにもなります。その点についても疑問を感じていました。

そこで私から彩花さんに「結婚後も資格を生かしてパートをして返済していくのはどうですか」とアドバイスしてみました。しかし、彼女は「パートでも働きたくない」と言います。つまり、自分で返済するつもりはないのです。それに、パートでは奨学金の返済はできたとしても、結局生活費のほとんどは大輝さんに頼ることになります。その考え方がどうしても受け入れられないと、大輝さんは交際を終了しました。

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