〈銀の匙〉の国語授業 橋本武著
『銀の匙』は夏目漱石が美しい日本語だと激賞した、中勘助の書いた自伝的小説だ。著者はこの200ページほどの文庫本を、神戸の名門・灘校で中学3年間をかけてじっくりと読み込むという伝説の国語の授業を手掛けてきた人物。本書はその授業を再現している。
著者は、「学ぶ」と「遊ぶ」の境界線をなくし、数多くの手作りのプリントを使って、どんどん横道にそれながら『銀の匙』を少しずつ少しずつ咀嚼(そしゃく)するように丁寧に教えていく。
特に国語は勉強の基礎だとして、大学受験だけに必要な勉強法を否定する。人間形成の栄養分となるような、真の“ゆとり教育”を実践している様子がよく伝わってくる。
岩波ジュニア新書 861円
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