中国と欧州結ぶ「北極海コンテナ定期航路」が開通 所要18日、スエズ運河・喜望峰回りの半分未満

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北極海の海氷面積の減少とともに、北極海航路の商業利用拡大への機運が高まっている(写真は海傑航運のウェブサイトより)

9月23日未明、コンテナ船「イスタンブール・ブリッジ号」は太陽光発電モジュールや蓄電装置など総額約2億ドル(約295億円)の貨物を積み込み、浙江省寧波市の舟山港からイギリスに向けて出港した。

約4900TEU(20フィートコンテナ換算)の積載能力を持つ同船は北極海を経由する航路を進み、イギリス最大のコンテナ港であるフェリクストウ港に18日後に到着する予定だ。この航海は、中国とヨーロッパを結ぶ世界初の北極海コンテナ定期航路の開通を意味する。

運航者は中国系海運会社

イスタンブール・ブリッジ号はリベリア船籍で、シンガポールに本社を置く中国系海運会社、海傑航運(シー・レジェンド・シッピング)の香港法人によって運航されている。

「北極海コンテナ定期航路は、中国-ヨーロッパ間の海上輸送の所要日数を大幅に短縮する。今回の初航海は、中国が北極のガバナンスに参画し、海上輸送の国際ルール作りを促進するための重要な一歩だ」。海傑航運香港法人の李暁斌COO(最高執行責任者)は9月24日、財新記者の取材に対してそう述べた。

中国-ヨーロッパ間の伝統的な貨物輸送ルートの所要日数は、スエズ運河または喜望峰を経由する海上輸送ルートが40~50日、国際貨物列車による陸上輸送ルートでも25日はかかる。北極海航路の所要日数はそれらの半分未満で、「国際貿易ルートとしての競争力が高い」と李COOは強調する。

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