中国と欧州結ぶ「北極海コンテナ定期航路」が開通 所要18日、スエズ運河・喜望峰回りの半分未満

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北極海航路はヨーロッパ北方のバレンツ海とシベリア東方のベーリング海を結ぶ全長約5000キロメートルの航路で、東アジアからヨーロッパに至る最短距離の海上輸送ルートだ。

海傑航運は北極海航路を「氷上のシルクロード」と呼び、伝統的な輸送ルートと比較した所要日数の短さをアピールする(写真は同社ウェブサイトより)

近年、地球温暖化の影響などで北極海の海氷面積が減少する中、北極海航路の商業利用拡大に向けた機運が高まっている。2023年には(耐氷船による)航行可能期間が5カ月に延長され、国際海運の新たな幹線ルートとして期待を集めている。

採算性にはまだ課題も

「わが社は2026年にかけて耐氷船の輸送力を増強し、(海氷が減少する)夏季には毎週または隔週での定期運航の確立を目指している」。海傑航運香港法人の李COOはそう意気込む。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

とはいえ、北極海航路の商業利用拡大にはまだ多くの課題がある。「仮に技術的には通航可能でも、商業ベースで採算が取れるかどうかは別問題だ」。財新記者の取材に応じた貿易業界関係者は、そう率直に指摘した。

この関係者によれば、北極海航路の経済的価値は(コストが高い)砕氷船や耐氷船の必要の有無、船舶の輸送能力、航行可能期間、(ロシア沿海を通ることによる)潜在的な地政学リスクなど、複合的な要素に左右される。それだけに、今後の要素の変化をしっかり見極める必要があるという。

(財新記者:鄒暁桐)
※原文の配信は9月24日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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