サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件 山口義正著

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サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件 山口義正著

オリンパスの一社員から不可解な企業買収への疑問と内部資料が寄せられて世紀のスキャンダルは表面化する。著者が月刊誌『FACTA』で「オリンパス『無謀M&A』巨額損失の怪」と題するスクープを放つまでの導入部も興味深いが、シラを切る会社側を綿密な取材によって追い詰めていく後半は一気に読ませる。記者会見もインタビューもかなわず菊川剛前会長はじめ事件の中心人物との接点はほとんど皆無とはいえ、オリンパス内部の混乱が外側から手に取るようにわかるのは、真実に最も近かったジャーナリストの書いたドキュメンタリーならでは。

日本はなぜ不正を追及するサムライとわが身至上の愚か者とに極端に分かれるのかというウッドフォード氏の疑問から書名は取られた。調査報道の内幕物として面白いだけでなく、当初は関心をほとんど示さないマスメディアの体質、粉飾を生む会計の落とし穴など多くの問題が提起されて考えさせられる。(純)

講談社 1470円

  

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