ゲオモバイルは画面割れも買い取り2087人の相談員が支える。中古スマホ市場は6年連続過去最高で2029年に400万台突破予測

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「当時はレンタルとゲーム事業が最盛期で、モバイル運営メンバーの反応は冷たかった」と濵野氏は振り返る。セルフサービス中心の既存事業に対し、対面販売が必要な中古スマホは「煙たがられる」存在。2008年当初は3店舗で月20万円程度の売り上げにすぎなかった。

ゲオモバイルの転機
2014年の中古スマホ専門店の出店が、ゲオモバイルの転機となった(筆者撮影)

転機は2014年。ゲオのお膝元の名古屋・大須に初のモバイル専門店をオープンすることになった。当時のモバイル事業が月間数十万円の売上だったが、新店舗では月500万円というチャレンジングな目標を設定した。すると、「オープン3日で達成し、緊急でレジを増設した」(濵野氏)。この成功を受け、2015年に「ゲオモバイル」ブランドが誕生。総務省による通信と端末の分離政策も追い風となり、2025年7月に全国800店舗を達成した。

2035年売上高1兆円への布石

ゲオホールディングスは2026年10月に社名を「セカンドリテイリング」へ変更。2035年にグループ売上高1兆円、5000店舗体制を目指す。リユース事業を軸とした成長戦略の中で、ゲオモバイルは1000店舗体制構築を急ぐ。

「現在の1年保証(端末代金の6%+1980円)を拡充したい。中古スマホのレンタルサービスも検討する」と語る。現在のゲオでは大手キャリアのサブブランドの改善を販売しているが、MVNOとして通信に参入する見込みはないか聞くと、「ブランド認知拡大の費用と時間を考えると、中古スマホ販売に特化したほうが強みを生かせる」として否定的な答えだった。

「家に眠る埋蔵スマホも高い確率で買い取りできる。データ消去も確実に行うので、一度来店して相談してみてほしい」(濵野氏)。対面接客にこだわる同社の挑戦が、中古スマホ市場の新たなスタンダードを作り出そうとしている。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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