店舗数激減のミスタードーナツ。「もう100円では売らない」経営陣の覚悟が復活へ導いた3つの改革とは? 人気コラボ企画の裏側も聞いてみた

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ミスタードーナツの売上高の推移
ミスタードーナツの売上高の推移。一時は下がっているが、2020年から回復に転じている(画像:ダスキン提供)

この順調な推移の立役者の1つが、「定番6に対して4の割合で売れている」というコラボ商品だ。

しかもコラボ商品購入客は、「ほぼ必ず定番も一緒に購入する」相乗効果も生んでいる。ポケモンとのコラボでは「ミスタードーナツのポケモン商品」に特化したファンまで生まれている。その功績は大きい。

ポケモンとのコラボ時に販売されたブランケット
ポケモンとのコラボ時に販売されたブランケット。コラボグッズを収集するファンも多い(写真提供:ダスキン)

祇園辻利は8年連続ヒットで定番化へ

しかし巖さんは、定番商品の功績も強調する。

「定番商品がいかに重要かを実感しています。昔から定番商品がお客様に支持されているところが、ミスタードーナツの強みです」

定番商品も、時代に合わせてプチリニューアルしているそうだ。たとえば、「定番のドーナツ6種類をひと口サイズに詰め合わせたセット」であった「D-ポップ」は、「6種類のフレーバーの中から、お気に入りのドーナツを自由に選べるセット」の「ドーナツポップ」に進化している。

ドーナツポップ
6種類のフレーバーから、お気に入りを自由に選べる「ドーナツポップ」(写真:ダスキン提供)

コラボ商品の人気順位を聞いたところ、回答は得られなかった。しかし、春の抹茶ドーナツは「ミスドミーツ祇園辻利」を2017年から8年連続で展開しているとのこと。1位は推して知るべしだろう。

100円セールで失いかけたブランド価値を、他ブランドとの「共同開発」で復活させたミスタードーナツ。コラボ商品は単なる期間限定品を超え、新たな地位を確立している。復活劇は、これからも続くに違いない。

後編では、市場シェア9割を握るミスタードーナツが、なぜ「ターゲット設定をしない」「仕組み化しない」常識外れの経営を貫くのか──。データドリブンが常識の現代において、「みんなで悩み考えて決める」アナログ経営で勝ち続ける理由を探る。

↓↓あわせて読む↓↓
【前編】100円セールを脱却「ミスド」奇跡の復活の裏側
【後編】古風?ミスド「悩み考える経営」常識ハズレの強さ
笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルはホテルビジネス、幼児教育、企業ストーリー。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界専門誌で16年間執筆を続けており、ホテルと経営者の取材経験多数。「週刊ホテルレストラン」「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」「FQ Kids」などで執筆。企業のnote発信サポーター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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