店舗数激減のミスタードーナツ。「もう100円では売らない」経営陣の覚悟が復活へ導いた3つの改革とは? 人気コラボ企画の裏側も聞いてみた

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「コラボ企画では、ケーキやお茶など『異なる分野の知見、技術を揚げるドーナツにどこまで生かせるか』がカギとなります。専門家同士のバイブレーション、掛け算で生まれる新しい味とクオリティへの期待もありました」と、運営会社の株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部 企画開発本部 巖(いわお)美里さんは説明する。

こうしてはじまった「ミスドミーツ」第1弾のコラボ相手は、祇園辻利だった。色素・香料などは一切使用しないことを条件に、同社の看板である「石臼挽きの宇治一番摘み抹茶」の使用が許された。抹茶の使い方については、長い時間をかけて解説があったという。

ちなみに、それ以前も、ハローキティやカルピスなどとのコラボをしたことはあったそうだ。しかし、有名ブランドやパティシエと組み、商品開発からはじめたのは「ミスドミーツ」がはじめてだった。

「宇治抹茶づくし」
2025年春、祇園辻利とのコラボで誕生した「宇治抹茶づくし」宇治抹茶を贅沢に使用した生地に、抹茶パウダー、ホイップ、わらびもちを重ねたリッチな味わいだ(写真:ダスキン提供)

相手選びは至難のワザ

ところで、コラボ相手はどうやって選んでいるのだろうか。尋ねてみると、最初の「ミスドミーツ」のテーマ、

「さまざまな企業・素材と出会い、新しい商品を通じてたくさんのお客様に出会う。お客様にも、さまざまな商品や素材、企業と出会い、最高のおいしさ、価値とワクワクする気持ちを提供する(中略)」

に沿っているという。

それ以外、特に基準は設けておらず、毎回さまざまな議論があるそうだ。ただ、よくよく聞くと大きく4つの基準があった。

ポケモンとのコラボ商品
ポケモンとのコラボでは、ドーナツと一緒に販売されるキュートなグッズも話題を集めている(写真:ダスキン提供)

1.「その分野で最高基準の素材や技術を持ったブランド」であること

2.1000店舗近くのチェーン店分を賄える原材料供給力があること

3.店舗手づくりでも、「しっかり再現性が担保できる」技術移転が可能であること

4.ネームバリューだけでなく「お客様の喜びにつながる」価値提供ができること

そのすべてを賄うブランドは多くはない。商品開発部では、季節のトレンド、人気の素材、キャラクターなどについて、常に情報収集に努めている。

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