苦しむ愛猫に「ごめんね。安楽死を選べなかったの」 ペットの最期をどう迎えるか
甘えもしなくて、抱っこも嫌い。しかし次第に、甘えるようになり、家族に笑いと癒やしをもたらしてくれた。
医師から「安楽死」の提案
そんなジジの病気がわかったのは、昨年12月末。突然、床にペタンと座り込むことがあった。様子がおかしかったが原因がわからず、大学病院で精密検査をした結果、腸に「血管肉腫」という悪性腫瘍が見つかった。
手術で腫瘍を摘出すると元気を取り戻した。しかし、今年のゴールデンウィークになって、咳をするので不安になって動物病院で診てもらうと、胸壁と肺を包む膜との間に胸水がたまり血も混じっていた。腫瘍が転移していた。
そこから一気に体調が悪化していった。獣医師から提示されたのは、①セカンドオピニオンを受け治療を続けるか②胸水を抜きながら、緩和ケアをして自宅で看取るか――この2択。
ジジは通院にストレスを感じていたので、古川さんは②の緩和ケアを選んだ。
しかし、緩和ケアでできることといえば胸水を抜くことくらい。獣医師に「このまま胸水を抜き続けたら、ジジは長く生きられますか」と尋ねると、「血管肉腫が転移していて長くは生きられない」と告げられた。
この時、古川さんはジジの死を覚悟したという。同時に獣医師から「安楽死」の提案もされた。
愛猫の最期をどう迎えるか――。安楽死か自然死か。猫の苦しみを目の当たりにした時、飼い主は判断に迷う。古川さんは言う。
「めちゃめちゃ悩みました」
緩和ケアで最期は自宅で看取ろうと決めていたが、早く苦しみを取って安らかに逝かせてあげたほうがいいのではと、安楽死にも心が揺れた。