岡田准一に直撃!Netflix配信「イクサガミ」にかける"野望"とは。「時代劇×バトルロワイヤル」の本作への思いを聞いてみた

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世界の視聴者も意識した作品づくり

岡田は藤井道人の監督起用を熱望したことも明かしています。映画『最後まで行く』でタッグを組んだことに加えて、「世界にも日本のクリエイターのエネルギーを届ける」上で欠かせない1人だったそうです。

藤井にとってNetflix作品は「イクサガミ」で5本目になります。時代劇のジャンルは自身初であるものの「30代最後の作品として、これまでのキャリアの“総力戦”と位置づけている」と語るその意味込みは、作品序盤の京都・天龍寺を舞台にした熱気溢れるシーンから伝わってきます。

岡田と共に釜山国際映画祭に参加した藤井に、作品の出来栄えに対する自信のほどを聞くと、答えは明瞭でした。「すべての仕事に自信を持つために、自分の情熱をクリエティブに注ぐことを誠実にやり続けるのみだと思っています」。

従来の時代劇と差別化するために、具体的な演出の方向性も明言しています。「日本の伝統的な美しさや日本人が持っている様式美は作品にとって大切な要素の1つです。それを失わないよう配慮しつつ、Netflixで世界同時配信される作品であることも考慮しました。意識したのは、映像的な豊さやダイナミックな動きを楽しめるテンポでした」。

キャラクター作りにもこだわりの姿勢が見られ、その根底にあったのは「世界中の人が楽しめる作品にすること」でした。「自分たちが海外の作品を観ていると、誰がどのキャラクターなのかわからなくなることがありますよね。イクサガミを圧倒的なキャラクタードラマとしても実現するために、どのような個性か、どんな衣装が相応しいのか徹底的に考えました。生地から作り直すほどの時間をかけました」。

歴史上の衣装や様式を“オーセンティック”に見せる作品づくりは、海外でも受け入れられる要素になります。さらに“侍バトル”が新鮮味を与えていくはず。

何より、その制作背景には“ミレニアル世代の興隆”とも言える動きがあり、この勢いが「イクサガミ」の強みになっていく可能性は十分にあると思います。

長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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