"脳のリーダー"ともいえる前頭前野…その衰えによる「脳の老化」を見逃さないための【10の兆候】
あなたは、近所のスーパーでレジ待ちしているときに、スマホでの支払いに手間取っている人に「何をモタモタしてるんだよ!」と大声で怒鳴っているお年寄りを見たことはありませんか。
かかりつけの病院の待合室で数分待たされただけなのに、イライラが募って怒って出ていく老人を見たことはありませんか。
いずれも、感情をコントロールできなくなっているのが原因と考えられます。
周囲との「あつれき」を生む前頭前野の衰え
他人の気持ちを理解したり、状況に応じて適切な行動を選んだりするのも前頭前野です。友人が落ち込んでいるときに「今はそっとしておこう」と気づけるのは、前頭前野のおかげなのです。
しかし、機能が低下すると、相手の気持ちを読み取るのが難しくなり、つい空気を読まずに発言したり、頑固になって自分の意見にこだわったりしがちになります。それが原因で周囲との小さな衝突を起こすこともあります。
記憶や注意力も前頭前野が支えています。予定を覚えておく、話を聞きながら要点を整理する、といった能力が衰えると、物事をスムーズに進められず、イライラが募ることも。頭の中で整理整頓していた引き出しが乱雑になって、必要なものをすぐに見つけられなくなるような感覚です。
脳の偏りによる現象はこれにとどまりません。
前頭前野は、新しい状況に適応したり、異なる視点を取り入れたりする柔軟な思考もつかさどっています。新しいスマホの使い方を覚えたり、急な予定変更に落ち着いて対応できたりするのは、前頭前野が機能しているからです。
しかし機能が低下すると、考え方が硬直し、いつもと同じやり方にこだわり、変化を受け入れるのが難しくなります。家族が新しい提案をしてきても「今までのやり方でいい」と頑なに拒否したり、些細な変化にイライラしたり。それが、感情の波をさらに大きくすることもあります。
前頭前野は複数の選択肢から最適なものを選んだり、タスクの優先順位を決めたりする判断力も支えています。
忙しい日に「まずこれをやって、次にあれをしよう」と計画を立てるのは、前頭前野の仕事。しかし、この機能が低下すると、何から手をつければいいのか迷ったり、重要ではないことに時間をかけすぎたりするようになります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら