背景には「艦これ」の存在があった? バス会社運営「地方私鉄」のレストラン列車、自衛隊との"異色コラボ"の訳

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接点は意外なところにあった。WILLER TRAINSは高速バスを運営する「WILLER EXPRESS」と同じWILLERグループであり、過去に元自衛隊の方を高速バスの運行管理者や整備士として採用しており繋がりがあったそうだ。

一方でWILLERグループは、経営難に陥っていた第三セクター「北近畿タンゴ鉄道」の運行を委託されるかたちで、2015年に鉄道業界に参入。その後、飯島氏は鉄道の運行を担う「WILLER TRAINS」の経営陣としてこの地に移り住むこととなった。

ここで、舞鶴地方総監らと話す機会があり、地域に根ざす地方鉄道と、全国4か所の地方隊(横須賀・呉・佐世保・舞鶴)の一角をなす舞鶴の自衛隊で「協力して地域貢献ができないか?」という話になったという。

代表取締役によると、「今回のコラボは企画担当者の発案で、今まで丹後くろまつ号で『舞鶴市』を大きく打ち出したコースが無く、舞鶴市の認知向上・魅力の発信に繋がる企画を考えていた際に『国内初の海上自衛隊コラボレーション』を思いつき、海上自衛隊や舞鶴市観光振興課、舞鶴商工会議所など関係各所に相談の結果、ご協力いただけることとなり実現しました」とのことだ。

ヘッドマーク
護衛艦「みょうこう」をあしらったヘッドマーク(筆者撮影)
パンフレットやおみやげ
自衛隊コラボに乗車すると、パンフレットやおみやげがたくさんつく(筆者撮影)

自衛隊との協力はカレーにとどまらず、「みょうこう」の雄姿が凛々しい特製クリアファイル、国内4カ所の旧軍港市のみで配布されている「護守印」のオリジナルバージョンといったとレアな乗車記念グッズも付き、「みょうこう」ヘッドマークまで制作されるほどの熱の入れよう。「海上自衛隊 舞鶴地方隊コラボコース」に乗車できるのは、2026年3月末までだ。

参入後に「赤字覚悟の増便」観光利用・日常利用の両輪で汗を流すWILLERの取り組み

WILLERの高速バス
WILLERの高速バス(筆者撮影)

京都丹後鉄道の前身ともいえる「北近畿タンゴ鉄道」は、沿線自治体などが株主となって主導する「第三セクター鉄道」だ。こういった「三セク」鉄道の財産は全国的に軒並み厳しく、2023年度の決算では41社中、37社が赤字であった。

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