照明は白色?暖色?タブレットの画素数は?《子供の集中力を向上させる》ために見直したい5つのポイント

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インテリアとは違いますが、部屋の散らかりも⼦どもの集中⼒を奪います。 2014年にカーネギーメロン⼤学のAnna V.Fisher准教授らが24⼈の幼稚園児を対象に⾏った研究では、装飾が多い教室の⼦どもたちは装飾が取り除かれた教室の⼦どもたちよりも気が散りやすく、課題から離れる時間が多く、学習成果が低いことがわかりました。普段から整理整頓を⼼がけることは、勉強時の集中⼒を⾼めることにもつながるのです。

タブレット端末 ―画⾯の⼤きさの影響

タブレットなどのデバイスを⽤いる場合、画素数の多い、⼤きなディスプレイを準備してあげてください。

ウィーバー州⽴⼤学のロバート・ボール博⼠らの⼤学⽣を対象とした研究(2005年)によると、⼩さなディスプレイでは、視野が狭くなり、限定的な思考となるのに対して、 画⾯が⼤きく画素数が多いほど、問題を理解したり解決したりするパフォーマンスが、⼤幅に向上することがわかっています。

また⼩さな画⾯の使⽤は視⼒にも影響を与えることが⽰唆されています。韓国での46⼈を対象にスマホとタブレットを⽤いて1時間の映像を視聴してもらう実験では、スマホの使⽤は、タブレットの使⽤と⽐較して近距離のピント調節機能が1.8倍低下することがわかりました。画⾯の⼤きさが問題の理解や視⼒にまで影響を及ぼすのです。

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ただし、学習時は完全な通知OFFもしくは機内モードなどで集中が途切れることを防ぎましょう。2015年にフロリダ州⽴⼤学のCary Stothart博⼠らが212⼈の学⽣を対象に⾏った研究では「スマホの通知で、注意を要するタスクのパフォーマンスを著しく阻害する可能性がある」と報告しています。

テキサス⼤学オースティン校のAdrian F. Ward准教授らが2017年に844名の学⽣を対象に⾏った研究でも「近くにスマホがあるだけで作業記憶・流動知能(過去の知識に頼らず、新しい問題を柔軟に解く⼒)が下がる」と⽰されました。タブレットはこのようなことに注意しつつ活⽤する必要があります。

以上、5つの観点から家庭での集中環境づくりを整理しました。照明、机・椅⼦、⾳、⾊、緑、画⾯の⼤きさなど、どれも⼩さな⼯夫ですが、受験やテストを控えているお⼦さんにとっては意義のあるものです。⼀度にすべて取り組まなくてもできることからやってみてはいかがでしょうか。

井上 顕滋 非認知能力専門塾 Five Keys代表

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いのうえ けんじ / Kenji Inoue

1970年生まれ。2004年 Result Design株式会社を設立。最先端の心理学および脳科学を学び、それらを融合させることで人それぞれの持つ能力を最大限に引き出す、独自の能力開発メソッドを確立。3000社以上の企業で経営者・経営幹部への指導や研修を行い、「1年間で離職率8分の1」「2年間で経常利益26.8倍」「営業成約率平均31.9%アップ」などの実績をもつ。

エグゼクティブコーチ、メンタルトレーナーとしてオリンピック出場の日本代表選手や世界一に輝いたプロスポーツ選手のサポートも行っている。自らも経営者として30年以上の部下育成の経験を持つ。

2011年に未来の成功者を育てるため、小学生を対象とする日本初の非認知能力専門塾Five Keysを設立。2015年には非営利型一般財団法人日本リーダー育成推進協会(JLDA)を創設し代表理事に就任。現在は特別顧問。講座などを通じてこれまで指導した小学生の保護者は4万人を超える。

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