半導体のルネサスが迎えた、新たな「正念場」 構造改革に一定のメド。今後の戦略は?

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 売上高の回復に向け、ルネサスが重点分野とするのが「スマートカー」、「インダストリー4.0」、「IoT(モノのインターネット)」の3つ。その中で、同社は「エコシステム戦略」を掲げている。

ルネサスは3つの分野それぞれにコンソーシアムを設立し、ソフトウエア分野などの提携企業と共同開発を行う。2005年に設立されたスマートカー向けのコンソーシアムには約170社、今年4月に設立された産業機器向けには約40社がすでに加盟している。今年10月には、米国西海岸で、顧客や提携企業向けにルネサス主催の技術展示会を開催し、約1400名が参加したという。

新中計の発表は「来年の春」に

自動運転やIoTなどの分野では、デバイスだけでなくソフトウエアの開発も必要となる。ルネサスは提携企業を拡大することで、ソリューションの提供力を強化することを狙う。

遠藤会長はかつて、日本オラクルの社長を務めたIT・ソフトウエア分野のエキスパートでもある。「今、半導体業界で起きていることは、IT業界で30年前に私が見た景色と同じ。デバイスからソリューションが求められるようになってきている」。

まずは、厳しい事業環境の中でも2期連続の黒字を確保することが、遠藤会長に求められる最低条件だ。さらに今回、遠藤会長は新たな中期経営計画を来春に公表することも明らかにした。今後、中期計画をテコに悲願の成長路線にシフトできるのか。ルネサスは今、事業再生時とは異なる、新たな正念場を迎えつつある。

東出 拓己 東洋経済 記者

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ひがしで たくみ / Takumi Higashide

半導体、電子部品業界を担当

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