親世代の常識《勉強すれば年収が上がる》はウソ。――令和の子供「なんで勉強しなきゃいけないの?」の明確な答えとは

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もはや、「いい大学に入れば安泰」という親世代の成功体験は、子供たちの人生を保証しないのです。ところが、いまだに日本の教育現場では、先ほどの『受動的なキャリアパス』を正しいものとして子供たちを動機づけしている様子が見受けられるのです。これが、教育現場の大きな課題として私が感じていることです。

令和の時代の勉強の意味とは

では、学校の勉強はすでに意味がなくなったのか?というと、そういうわけではありません。ただ学歴という「成果」だけを追い求めるのは意味がなくなってきています。今大事なのは勉強する過程で培った思考法などの「プロセス」を、仕事の中で活かせるようにすることです。

一つ例を挙げると、国語の勉強は「言い換えのスキル」を育みます。相手に伝わる表現に翻訳し直すという力はどんな会社のどんな立場でも必要不可欠です。数学は「因数分解するスキル」を養います。大きな問題を要因に分けて計画に落とし込む力はどんな職種でも欠かせません。

理科や社会も同様に、物事を比較し、因果を考え、仮説を立てて構造的に捉える訓練そのものです。こういった能力は「ポータブルスキル」と言われ、どんな会社のどんな立場でも必要とされる汎用的な力です。

数字で示す説得力も、わかりやすく言い換える力も、論理を積み重ねる力も、すべて勉強を通して培われていきます。受験勉強は単なる点数争いではなく、社会に出てからも一生使えるポータブルスキルを磨く時間。そして一生役立つ教養を身に付ける時間。

令和の時代の勉強の意味は、そういったところにあるのではないでしょうか。

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山根 渡 学校教育×キャリア戦略プロデューサー

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やまね わたる / Wataru Yamane

大学卒業後、教育業界でのべ1万人以上の子どもたちの学習指導に携わる。その中で「学校の勉強は社会で本当に役立つのか?」という疑問を抱き続ける。その後、人材業界に転身し、1000人以上のキャリア支援を行う中で、「学校で学ぶ内容は、使い方次第でビジネスの最強の武器になる」という確信を得る。法人営業未経験ながら、入社後1年で新人平均売上比280%を達成。全社MVP3度、年収3倍以上を実現。新卒と1度目の転職時に2度不合格となった現職に入社後、『学校法人向けの新規事業開発マネージャーとして』全社表彰を2度獲得。現在は「学校教育とキャリアを最適に接続する」をライフワークとして個人、会社員それぞれで活動を続けている。

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