親世代の常識《勉強すれば年収が上がる》はウソ。――令和の子供「なんで勉強しなきゃいけないの?」の明確な答えとは
もはや、「いい大学に入れば安泰」という親世代の成功体験は、子供たちの人生を保証しないのです。ところが、いまだに日本の教育現場では、先ほどの『受動的なキャリアパス』を正しいものとして子供たちを動機づけしている様子が見受けられるのです。これが、教育現場の大きな課題として私が感じていることです。
令和の時代の勉強の意味とは
では、学校の勉強はすでに意味がなくなったのか?というと、そういうわけではありません。ただ学歴という「成果」だけを追い求めるのは意味がなくなってきています。今大事なのは勉強する過程で培った思考法などの「プロセス」を、仕事の中で活かせるようにすることです。
一つ例を挙げると、国語の勉強は「言い換えのスキル」を育みます。相手に伝わる表現に翻訳し直すという力はどんな会社のどんな立場でも必要不可欠です。数学は「因数分解するスキル」を養います。大きな問題を要因に分けて計画に落とし込む力はどんな職種でも欠かせません。
理科や社会も同様に、物事を比較し、因果を考え、仮説を立てて構造的に捉える訓練そのものです。こういった能力は「ポータブルスキル」と言われ、どんな会社のどんな立場でも必要とされる汎用的な力です。
数字で示す説得力も、わかりやすく言い換える力も、論理を積み重ねる力も、すべて勉強を通して培われていきます。受験勉強は単なる点数争いではなく、社会に出てからも一生使えるポータブルスキルを磨く時間。そして一生役立つ教養を身に付ける時間。
令和の時代の勉強の意味は、そういったところにあるのではないでしょうか。
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