親世代の常識《勉強すれば年収が上がる》はウソ。――令和の子供「なんで勉強しなきゃいけないの?」の明確な答えとは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここまで具体的なデータを用いたケースは少ないと思いますが、「勉強すればいい学歴が得られて、いい学歴を得られれば年収が上がる。だから、勉強すれば年収が上がる」という話は、学校、塾、家庭など様々な立場の大人が子供に多く語り継いできた神話に近いものでした。

しかし時が経ち、塾講師からヘッドハンティング、そして学校の経営支援に関わる立場となり、多くの優秀なビジネスパーソンのキャリアと向き合う中で、あの頃の自分が語っていた神話は、もはや令和の時代には通用しないのだと痛感しています。

保護者世代の常識が、子供たちに通用しない理由

私たちは、「競争に勝てば安泰」という時代を生き抜いてきました。もっと具体的に言えば30~40年前であれば、「競争に勝ち抜く=給料が高い」でした。

「初等教育を受ける→受験競争を勝ち抜く→偏差値のいい高校・大学に行く→就活を勝ち抜いていい会社へ→その会社の社内で出世競争を勝ち抜く」

という、ある意味でかなり分かりやすく、また『与えられたルールの中で競争に勝つ』という意味では『受動的な』キャリアパスが当たり前でした。その時代であれば、「ただがむしゃらに勉強して競争に勝てば、給料も上がって安泰だ」ということが発生していました。これを表したのが以下の図です。

※外部配信先では図やランキングがうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

当時のエリートは競争に勝ち抜けばいい会社に入れて一生安泰、転職するのは競争の脱落者というレッテルを貼られていた(画像:筆者作成)
当時のエリートは競争に勝ち抜けばいい会社に入れて一生安泰、転職するのは競争の脱落者というレッテルを貼られていた(画像:筆者作成)

転職する人もかなり少数派で、転職者は「もともとの企業にいられなかった人」というようなレッテルを貼られていました。今の20代以下の方には信じられないかもしれませんが、つい十数年ほど前までは転職市場は「コンプレックス産業」、つまり今の会社にいられなくなった人や、就活で入れなかった企業にどうしても行きたい人だけが利用する産業と揶揄されていたのです。

次ページ企業を取り巻く環境は変わった
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事