資さんうどん、なぜ50年目にして「新味」を投入?「ねぎどっさり酸辣湯うどん」の魅力と、各社が「フェアメニュー・新味」を頻繁に投入するワケ
「資さん」の新味・酸辣湯うどんを、大阪府・南津守店と、東京都・足立鹿浜店でいただいてみた。
南津守店での実食は発売翌日とあって、かなりの人々が「新味」実食中。夕方4時という中途半端な時間帯にもかかわらずボックス席は8割がた埋まり、中には「新味だって!誰が頼む?」とジャンケンで決めたうえで、到着後にシェアするグループ客の姿も見られた。
普通の酸辣湯のビジュアルは、さっぱりしたあんかけスープの上を野菜・卵とじが覆いつくす。さて、注文から6分11秒で到着した「酸辣湯うどん」は……卵とじは少なめだが、かわりに多量のネギと、タケノコ、シイタケ、多量の鶏肉煮込みなど、具だくさんのあんかけが存在感を発揮している。
あれ? この鶏肉、どこかで食べたことがある?……この鶏肉は、「資さん」の定番「かしわうどん」でおなじみの「かしわ」だ。「資さん」によると「少し辛めに炊いている」そうで、この「かしわ」のうま味のおかげか、酸辣湯のスープ特有の酸味・辛みは若干マイルドに。酸辣湯としては優しく食べやすく、モチモチのうどんとの相性もいい逸品だ。

「資さん」と同門の「バーミヤン」でも「酸辣湯麺」を発売しているが、こちらは普通の中華めんを使用。スープも「資さん」より辛み・酸味がガツンと来て、細めの麺と絡む際のインパクトでは「バーミヤン」に軍配が上がる。
バーミヤンでは見た感じ、ひとり来店の方が酸辣湯・麺類をよく頼んでおられるようだ。なお、「資さん」足立鹿浜店でも1人がけカウンター席で酸辣湯うどんを頼む方が多く見られ、酸辣湯は「お酢でガツンとリフレッシュしたい」方向けのメニューなのかもしれない。
ほか、比較対象となる店を探してみたものの……「餃子の王将」「れんげ食堂Toshu」「日高屋」「8番らーめん」「ジョナサン」などで販売の実績があるものの、いずれも期間限定のフェアメニュー扱いだったり。レギュラーメニュー扱いはバーミヤンのみだ。
どうやら各社とも「酸辣湯はたまに食べる人はいるけど、常時メニューに出すほどの需要はない」扱いに見える。今の状態で見ると、「資さん」の酸辣湯うどんは、「かしわ」中心というオリジナル要素があり、かつ真正面のライバルもいない。爆発的にヒットすれば、新たな定番メニュー・キラーメニューとなる可能性を秘めているが……どうだろう?
なぜ50年目の「新味」?「資さん」に聞いた

さて、なぜ「資さんうどん」は新味の開発に至ったのだろう? 運営企業である「株式会社資さん」にお話を伺った。
今回の「新味」開発は、2024年10月からの「すかいらーくホールディングス(以下:すかいらーくHD)」傘下入りとは関係なく検討されていたという。
現在ではすかいらーくHDと新規出店などさまざまな面で協議を進めているものの、メニューは今でも「資さん」の独自開発。「辛く炊いた『かしわ』をたっぷり載せる」というアイデアも含め、今でも「資さん」のメニューは「資さん」社内で発案、決定しているそうだ。その中で、「創業50年目の節目に」と、新味の開発に至った。
今後とも新しいメニュー開発を進めているそうだが、「これまで培ってきた「資さん」の伝統の味を大切にする」とのこと。いまも独自で、「資さん」らしさを守りつつもアッと言わせる、第2の「新味」が開発中、なのかもしれない。
ただ、2カ月ごとにフェアメニューが出ても、「資さん」定番の「ごぼ天うどん」「カツとじ丼」などのおいしさは変わらない。関東・首都圏では「ガスト」系列店舗からの転換で前橋市・柏市・横浜市などに出店が進む中、第2の「資さん流・新味」が世に出る日を待ちたい。
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