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「消費減税」が陰に隠れた自民党総裁選…「積極財政」vs「財政健全化」が対立軸になりえない日本の現実とは?いま振り返るべき安倍財政の実像

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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そのエスタブリッシュメント側の自民党における総裁選である。そこで、大々的に反エスタブリッシュメント的な政策を公然と主張して、党内において、果たして総裁に選ばれるのだろうか。

その観点から言えば、5人の総裁候補者は、消費税減税を進んで提起しなかった。反エスタブリッシュメント的な政策を露骨に掲げては、仮に自民党総裁になって内閣総理大臣になったとしても、その後の統治は困難になることが予想される。

ただ、いわゆる「保守層」には、反エスタブリッシュメント側の主張に好意的な人が多い。「保守層」は、単に、国家像、外交、安全保障などで伝統的な慣習や価値を重んじるだけでなく、財政金融政策に関してはエスタブリッシュメント側のスタンスに批判的である。

安倍氏亡き後に「保守層」が離反した理由

安倍晋三元首相が亡くなった後、「保守層」の自民党離れが進んで、国民民主党や参政党の台頭につながったようである。国民民主党や参政党を支持する「保守層」には、反エスタブリッシュメント的な政策を支持する向きがある。

そうした「保守層」から支持を再び得ようとすると、反エスタブリッシュメント的な政策を大々的に打ち出さないと、簡単には自民党に支持が戻らないかもしれない。

しかし、反エスタブリッシュメント的な政策を大々的に打ち出せば打ち出すほど、自民党の中では支持が得られなくなる。エスタブリッシュメント側が支持する政策は、これまで自民党が政権に就いて築き上げてきた政策の積み上げそのものだからである。消費税率を10%まで引き上げたのもそうである。

では、なぜ安倍政権では、自民党が「保守層」からも支持を得たのか。

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【「反財務省」と言いながら……】

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