政策的に行き詰まり、商品券問題でも苦境の石破政権。政策課題解決に動く超党派の多数派をつくれるか。

石破茂首相は、「10万円商品券」問題で窮地に立たされている。政権は続くのだろうが、夏の参議院選挙に向けて自民党はこの逆風にどう立ち向かうのか。
今回の政権の危機は、自民党のあしき習慣だけでなく、今までの自民党政治が放置してきた問題が折り重なることで生じている、構造的なものだ。
石破政権の政策的行き詰まりは、予算審議で露呈した。首相は、多数確保のために日本維新の会の要求を受け入れ、高校授業料無償化のための修正を決断した。さらに、参議院の審議の中で高額療養費制度の自己負担引き上げを撤回し、再度予算修正を行うこととなった。
高額療養費の負担増は、子育て支援の財源を他の社会保障施策の削減で賄うという岸田文雄政権の決定に起因している。最近にわかに自民党も子育て支援に熱心になったが、理念と緻密な制度設計を欠くために、このようなほころびが生じる。また、年金改革法案の提出も大きく遅れている。急速な人口減少、高齢社会における社会保障財源の確保など、30年前から明らかだった課題を今までの政権が放置してきたことによる矛盾を、もはや弥縫できなくなった。
政策転換か保守派の機嫌取りか
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