「タン塩にはレモン」と何の疑問も抱かずに振りかけている人に知ってほしい《誕生秘話》、ここまで定着したウラ側には"理にかなう理由"があった
やはり、焼肉のオーダーは、
↓
味の濃い部位
と進んでいくことが基本です。
タンはさっぱりした味わいで、独特の歯ごたえがあり、食感を楽しめる部位です。もし脂の多いカルビなどを食べてからタンを食べてしまうと、カルビの濃厚な旨味が舌に残ってしまい、どうしてもタンの味の印象が薄くなってしまいます。つまり、淡白な味わいのタンを最初にオーダーするのは、非常に理にかなった行為なのです。
また、薄切りのタンは火の通りが早くて網にくっつきにくく、網が焦げにくいこともファーストオーダーとして最適な理由の一つになっています。
レモンが添えられている、まさかの理由
最後に、タン塩に当たり前のように添えられているレモンについて。
諸説ありますが、ここにもユニークな歴史があります。なんと、タン塩にレモンが提供され始めた理由は、「お客のホステスさんが、熱々に焼いたタンが食べられなかったから」だと言われているのです。
「叙々苑」の1号店、六本木本店がオープンした頃のこと。当時、タン塩はまだ珍しいメニューで、焼いたタンをタレもつけず、熱々のまま口に運ぶスタイルでした。しかし、お客のホステスさんから「そのまま食べたら、やけどする!」と指摘を受けたそうです。
そこで、熱すぎるタンをどうにかできないかと試行錯誤する中で、たまたまそばにあったレモン汁をかけてみました。すると、レモンの爽やかな酸味と香りが熱々のタンの脂と絡み合い、さらに温度が下がることで、それまでとはまったく違う、さっぱりとした奥深い美味しさになったのです。
この偶然の発見が「タン塩にレモン汁をかけて食べる」という、今や当たり前のスタイルを生み出すことになりました。特に女性を中心に「さっぱりして美味しい!」と大人気になり、あっという間に全国の焼肉店へと広まっていったのです。
焼肉店でタン塩を食べる機会がありましたら、その一口に込められた「叙々苑」の工夫に思いを馳せて、ぜひ味わってみてください。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら