医師が解説! 「昼食の後のダルさ」を撃退し、午後も効率的に働くための≪ランチタイム≫の過ごし方
1つ目の物理センサーは、胃に食べ物が入って大きくなると満腹感を感じます。2つ目の化学センサーは、血糖値の上昇で満腹を感じる血糖センサーと、胃腸などの消化管から出る消化管ホルモン自体がセンサーとなり満腹を感じるホルモンセンサーがあります。
そのほか、最近ではタンパク質の摂取を見守るセンサーの存在も明らかになっています。血糖センサーは5〜10分、ホルモンセンサーは約20分で作動するので、食事はコース料理のように少しずつゆっくり、を心がけましょう。
噛まないで食べるのもよくありません。早食いの人もその傾向にありますが、噛む回数が少ないと唾液の分泌が少なくなってしまいます。
唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれることは知られていますが、そのほかにもさまざまな酵素が含まれています。そのうちのひとつ、ペルオキシダーゼは抗酸化酵素の一種で、活性酸素を除去して細胞を守ってくれるうえに、口内の細菌の繁殖を抑えて衛生状態を高める働きもあります。
つまり、唾液が少ないとペルオキシダーゼの抗酸化作用が働かなくなります。また、唾液は消化を助けることで自律神経の疲労を軽減してくれます。噛むことで唾液が分泌されるので、ひと口あたり30回噛むのが理想とされています。
ただ、試してみればわかりますが実際に30回も噛むのは容易ではありません。特にファストフードなどは15回ほど噛むうちになくなってしまうので、食事には噛みごたえのある根菜やキノコ類、海藻類、肉類などを積極的に摂るよう心がけましょう。
ちなみに、噛むこと自体に自律神経機能を高めるセロトニンの分泌を高める効果があり、夜間の快眠ホルモン・メラトニンの分泌も高めてくれます。さらに、疲労の原因となる肥満を予防する効果もあるので、「食事はしっかり噛んで食べること」を意識してください。
昼寝は「午後3時までに最長30分以内」ですませて
昼寝は正しくとれば仕事効率が上がり、疲労も回復します。昼寝のメリットが周知され、現在は昼寝制度を採用する企業も増えています。
昼寝をするポイントは、タイミングと時間です。午後3時以降に昼寝をすると夜の寝つきが悪くなることが多いです。夕方にウトウトしてしまう人は、午後の早い時刻に昼寝をとるようにしてください。
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