医師が解説! 「昼食の後のダルさ」を撃退し、午後も効率的に働くための≪ランチタイム≫の過ごし方
すると過食の状態が続いて太りやすくなるのでやはり疲労度が高まりますし、血糖値や消化管ホルモンの分泌の乱高下もだるさにつながってしまいます。
この研究結果でひとつ疑問なのは、本当に「1人で食べると疲れる」のか、という点です。もしかすると、逆に「疲れているから誰かと食事をするのがおっくうで、1人で食べている」という人もいるかもしれません。となると、孤食が疲れの原因になっている、という因果関係を説明できなくなります。
私たちが行った過去の研究では、昼休みは安心できる空間を確保し、一度、自律神経の緊張を解放したほうがよいことも実証しています。
現代に生きる私たちは、かつての人類とは比べられないほど、緊張する環境で長時間過ごさざるをえなくなっています。つまり遺伝子学的に見ると想定外の状況に置かれているため、当然その分、「人疲れ」を起こしやすくなっています。
そのため、疲れているときほどリラックスできる1人ランチがおすすめなのです。ただし、早食いが疲労の原因になるのは間違いないので控えるようにしてください。特に都会に住む人は、あらゆる場面において人との距離が近いせいで、どうしてもストレスが溜まりやすいため、1人になる時間がより大切になります。
ただ、ランチを決まった時間に、食堂のような決まった場所で取らなくてはいけない人など、1人ランチが難しいケースもあるでしょう。そんなときは、ほんの5分で構いませんから、人目のない更衣室やトイレの個室で1人になると、午前中の疲れを回復させることができます。
「早食い&食べ過ぎ」は疲れの原因に
早食いや食べ過ぎは血糖値が一気に上がってしまい、それを下げようとインシュリンの分泌が増えます。インシュリンが大量に分泌されると「血糖値スパイク」と呼ばれる血糖値の乱高下が起こり、身体が急激にだるくなり疲労が増強します。
また、胃腸の処理能力が追いつかず、消化吸収にかかわる自律神経の負担が増え、やはり疲れの原因になります。食べ疲れの予防には、満腹センサーを活用しましょう。人間は満腹を感じると、体内の2つの満腹センサーが信号を脳に送ります。
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