西武「ニューレッドアロー」、新宿線変革の立役者 特急「小江戸」とともに登場、後継はライナー型

✎ 1〜 ✎ 64 ✎ 65 ✎ 66 ✎ 67
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

10000系は1993年、それまで休日ダイヤのみだった新宿線への定期特急列車導入と、池袋線・西武秩父線の特急車両「5000系(レッドアロー)」の後継としての役目を背負ってデビューした。

同年12月6日、本川越駅で開催した出発式では当時の川越市長、西武鉄道社長、本川越駅管区長がくす玉を割って運行開始を祝ったという。翌1994年には池袋線5000系の置き換えが始まった。

コンセプトは「ゆとりとやすらぎの空間」で、車内にはリクライニングシートが並ぶ。5000系の6両編成で定員400人に対し、10000系はシートの間隔を広く取り、7両編成で406人と余裕を持たせた。

シートの間隔は1070mmで、5000系より110mmも拡大。JR東日本の普通列車グリーン車で一般的な970mmと比べても100mm広い。走行機器については5000系のほか、通勤電車の101系、新501系で使っていた制御装置などを再利用している。

西武10000系 ニューレッドアロー 車内
10000系の車内(記者撮影)
【写真】コンセプトは「ゆとりとやすらぎの空間」。ゆったりと通勤できる10000系の車内はどうなっている?

グレーの車体に「ダンディレッド」

登場時に製作したパンフレットは、外観について「特急車としてのダイナミックさ、スピード感を備えながら、品格のある流れるようなフォルムとしました。車体カラーは、パープル系グレーを3つのトーンで調和させ、全体としてエレガントなハーモニーをつくりだし、その中にダンディレッドのポイントラインを加え、力強さを表現しました」と説明している。

さらに「全席指定で都心までゆとりの通勤が可能です。プレビジネスタイムのエネルギー蓄積空間、アフタービジネスタイムのやすらぎ空間を提供します。また、休日にはショッピング、レジャーの足として目的地まで快適に、スピーディーに走ります」とアピールする。

1996年までに11編成が造られた。2003年、最後に追加された10112編成だけは、制御方式がそれまでの抵抗制御でなく、VVVFインバーター制御。ほかの10000系と車内設備などはほとんど変わらないが、走行音が異なる。前面と側面の種別・行き先表示器はLED化されている。

この記事の画像を見る(50枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事