10000系は1993年、それまで休日ダイヤのみだった新宿線への定期特急列車導入と、池袋線・西武秩父線の特急車両「5000系(レッドアロー)」の後継としての役目を背負ってデビューした。
同年12月6日、本川越駅で開催した出発式では当時の川越市長、西武鉄道社長、本川越駅管区長がくす玉を割って運行開始を祝ったという。翌1994年には池袋線5000系の置き換えが始まった。
コンセプトは「ゆとりとやすらぎの空間」で、車内にはリクライニングシートが並ぶ。5000系の6両編成で定員400人に対し、10000系はシートの間隔を広く取り、7両編成で406人と余裕を持たせた。
シートの間隔は1070mmで、5000系より110mmも拡大。JR東日本の普通列車グリーン車で一般的な970mmと比べても100mm広い。走行機器については5000系のほか、通勤電車の101系、新501系で使っていた制御装置などを再利用している。
グレーの車体に「ダンディレッド」
登場時に製作したパンフレットは、外観について「特急車としてのダイナミックさ、スピード感を備えながら、品格のある流れるようなフォルムとしました。車体カラーは、パープル系グレーを3つのトーンで調和させ、全体としてエレガントなハーモニーをつくりだし、その中にダンディレッドのポイントラインを加え、力強さを表現しました」と説明している。
さらに「全席指定で都心までゆとりの通勤が可能です。プレビジネスタイムのエネルギー蓄積空間、アフタービジネスタイムのやすらぎ空間を提供します。また、休日にはショッピング、レジャーの足として目的地まで快適に、スピーディーに走ります」とアピールする。
1996年までに11編成が造られた。2003年、最後に追加された10112編成だけは、制御方式がそれまでの抵抗制御でなく、VVVFインバーター制御。ほかの10000系と車内設備などはほとんど変わらないが、走行音が異なる。前面と側面の種別・行き先表示器はLED化されている。





        
        
        
      
        
      
          
          
          
          
        
        
        
        
        












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